世界中で警戒が強まっている新型コロナウイルスですが、2020年2月14日、東京都内で新たに2人の感染が確認されたと都から発表がありました。この2人は、2020年2月13日に陽性が判明した都内のタクシー運転手の男性と関わりのあった人々です。この男性を起点とした「濃厚接触者」は、同居する家族などを含めて約100人にものぼることが分かっており、都は現在、総力を挙げて検査を進めています。
濃厚接触者とは、感染者と近い距離で長時間過ごし、ウイルスの吸入や接触による感染リスクが高いと判断された人のことです。SNS上では「ついに身近なところまで迫ってきた」「明日は我が身かもしれない」といった不安の声が相次いでおり、市民の緊張感が一気に高まっている様子がうかがえます。誰もが日常的に利用する公共交通機関の従事者が関わっているだけに、このニュースが人々に与えた心理的インパクトは決して小さくありません。
新たに感染が判明したうちの1人は屋形船のスタッフで、もう1人は個人タクシー組合支部の職員です。タクシー運転手の男性は2018年1月中旬に都内で開催された屋形船の新年会に足を運んでおり、スタッフの男性はそこで働いていました。また、組合の職員は事務所でこの運転手と接触していたことが判明しています。幸いなことに、2人とも現在は医療機関に入院しているものの、症状自体は重篤ではないと伝えられています。
注目すべきは、屋形船のスタッフが新年会よりも前に、ウイルスの発生地とされる中国湖北省からの旅行客を接客していた事実です。ここから感染が広まった可能性が指摘されており、目に見えないウイルスの強い伝播力を物語っていると言えるでしょう。現在、新年会に参加した約80人のうち、すでに発熱や咳といった風邪に似た症状を訴えている人が約10人も存在しており、今後の検査結果次第ではさらに感染者が増える恐れを否定できません。
感染の拡大は首都圏だけに留まらず、日本全国へと波及しています。同日には北海道でも50代男性の陽性が発表され、2020年1月31日から症状が出始めて現在は集中治療室で懸命な治療が続けられている状況です。さらに名古屋市でも60代男性の感染が明るみに出るなど、地方都市でも予断を許さない局面に突入しました。私たちは局所的な流行ではなく、日本全体のリスクとしてこの問題と向き合うフェーズに立たされています。
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では高齢者らの下船がスタート
一方で、緊迫した状況が続く横浜港のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、2020年2月14日の午後に大きな動きが見られました。船内に留まっていた乗客のうち、10人前後がタラップを降りて下船したのです。一行は横浜港から用意された数台のバスへと乗り込み、一時的な滞在先となる埼玉県和光市の税務大学校へと移動しました。長引く隔離生活の中で、ようやく一歩前進した形となります。
厚生労働省の説明によると、今回の措置は80歳以上の高齢な乗客を対象としたものです。持病を抱えている方や、客室に窓がない、あるいは開閉できない環境で過ごしていた方が優先されました。もちろん、該当する方と同室で過ごしていたご家族も同行しています。今回の下船は、ウイルス検査で「陰性」、つまり感染していないことが証明された人のうち、本人が希望した場合に限って実施されました。
船内という閉鎖空間での生活は、乗客にとって計り知れないストレスであったはずであり、今回の高齢者に対する柔軟な対応は人道的な観点からも評価されるべきです。しかし、下船後の受け入れ施設周辺の住民からは不安の声も上がっており、政府にはより丁寧な説明と万全な防疫体制が求められます。ウイルスとの戦いは長期戦が見込まれるからこそ、過度なパニックを避け、一人ひとりが手洗いやマスク着用などの基本を徹底することが今一番大切です。
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