神戸市が、街の未来を大きく変える大胆な舵取りを見せています。かつては豊かな暮らしを象徴する都市として憧れを集めた神戸ですが、実は2011年をピークに人口減少が続いており、2019年までに福岡市や川崎市に追い抜かれ、政令指定都市の順位も5位から7位へと転落してしまいました。この深刻な状況を打破するため、市は企業のオフィスを呼び込むための大規模な重点投資へと踏み出します。
その目玉となるのが、新築のオフィスビルにかかる税金を大幅に引き下げるという、全国的にも極めて珍しい優遇措置です。対象となるのは、JRの三ノ宮駅や神戸駅、さらに市営地下鉄の沿線を含む主要な計314.6ヘクタールに及びます。賑わいのある主要駅の周辺で企業活動を活性化させ、新たな雇用とビジネスのイノベーションを創出することが最大の狙いでしょう。
さらに、このエリアでは2020年07月から大規模マンションの建設が抑制されることが決定しました。これまでの「職住混在」の形から、明確に「ビジネスの街」へと進化させる覚悟が伺えます。今回の減税制度は、豊かな自然と住宅街が広がる西神中央駅や、北神急行電鉄の終点である谷上駅周辺の市街地約4000ヘクタールでも、3年間の期間限定で適用される見込みです。
今回の施策の凄いところは、税金の優遇だけでなく、市外から移転してくる企業に対して年間で最大1000万円ものオフィス賃料を補助する点です。2020年02月14日に行われた記者会見の席で、久元喜造市長は「市の財政を維持していくためには、神戸を拠点に選ぶ企業を増やすことが最優先であり、固定資産税の軽減は極めて有効なインセンティブになる」と力強く語りました。
このニュースに対し、SNSでは「三宮の雰囲気がガラッと変わりそう」「企業が集まれば若い人も戻ってくるのでは」と期待の声が上がる一方で、「タワマン規制で住みにくくならないか」という懸念も見られます。職住近接の利便性を手放してでもビジネスに特化させるこの挑戦は、神戸が再び輝きを取り戻すための、まさに背水の陣とも言える大勝負となるのではないでしょうか。
市は関連する条例案を2020年02月中に議会へ提出し、2020年04月01日からの施行を目指して準備を進めています。これまで観光や住宅都市としてのイメージが強かった神戸市が、企業の聖地へとどのように生まれ変わっていくのか、今後の動向から目が離せません。
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