世界中で猛威を振るい始めている新型コロナウイルスを巡り、国内の対応に新たな動きが見られました。加藤勝信厚生労働相は2020年2月7日の記者会見にて、横浜港に停泊しているクルーズ船内で確認された感染者について、日本国内の発生事例とは別枠でカウントする方針を明らかにしています。これは世界保健機関、いわゆるWHOとの協議を重ねた上での決定となります。
政府側がこのような措置に踏み切った背景には、「日本国内における実際の流行状況を正確に発信したい」という強い意図があるようです。確かに、入国前の船内という閉鎖空間でのクラスター発生をそのまま国内の数字に合算してしまうと、あたかも日本の街中で爆発的な感染拡大が起きているかのような誤解を海外に与えかねません。国益を守る観点からも、この区分けは妥当な判断だと言えるでしょう。
厚生労働省の発表によれば、新たに船内で感染が判明した41名は20代から80代までの幅広い層にわたっています。内訳は日本人が21名で、ほかにもアメリカやアルゼンチン、オーストラリア、カナダ、イギリスなど多国籍にのぼる状況です。搬送時に重症と診断された方はいなかったものの、これまでに陽性が確認されていた患者のうち、持病を持つ1名が重症化していることが分かり、予断を許さない状況が続いています。
現在、陽性反応が出た合計61名は、感染症に対応できる特別な設備を持った病院の「感染症病棟」へと順次、措置入院の手続きが進められています。なお、ここで言う感染症病棟とは、ウイルスの外部流出を防ぐ陰圧室などを備えた、高度な医療提供が可能な専門病床のことです。一方で、陰性だった他の乗客や乗員は、船内での隔離措置が始まった2020年2月5日を起点として、14日間にわたり船内にとどまることが求められています。
船内では2020年2月3日から、医師や看護師、そして検疫官が直接乗り込んで検査を行う「臨船検疫」が不眠不休で続けられてきました。この検疫官とは、海外から感染症が国内に侵入することを水際で防ぐ専門の国家公務員のことです。彼らの尽力によって必死の防衛線が張られているものの、長引く隔離生活を強いられる乗客たちの体調悪化や精神的なストレスが非常に懸念されるところです。
この緊迫した事態に対し、SNS上では「国内感染と区別するのは数字を低く見せたいだけでは」「船内の人たちの人権や健康状態が心配すぎる」といった、政府への不信感や乗客を気遣うリアルな声が数多く投稿されています。個人的には、数字の定義を明確にすることは国際社会への説明責任を果たす上で重要だと考えますが、何よりも最優先すべきは船内に残された方々への万全な医療支援と、一刻も早い事態の収束です。
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