内閣府が2020年2月10日に発表した1月の景気ウォッチャー調査によると、私たちの暮らしに直結する街角の景況感を示す「現状判断指数(DI)」が41.9を記録しました。これは前月と比べて2.2ポイントの上昇にあたり、3カ月連続で景気が上向いていることを証明しています。2019年10月1日に実施された消費税率引き上げに伴う深刻な消費の落ち込みから、ようやく日本経済が力強い回復基調へと転じたことが伺えるでしょう。
この「景気ウォッチャー調査」とは、タクシー運転手や小売店の店員、居酒屋の経営者など、文字通り「街角」で景気の波を最も敏感に肌で感じている約2000人を対象にしたアンケートです。いわば、経済の“今”を映し出す鏡のような指標と言えます。今回の調査は2020年1月25日から2020年1月31日にかけて実施されましたが、現場からは「客足が戻ってきた」「増税の冷え込みから脱しつつある」といった前向きな声が届いていました。
ネット上のSNSでも、この3カ月連続の改善に対して「一時はどうなるかと思ったけれど、少し安心した」「確かにお店に活気が戻ってきた気がする」といった安堵の投稿が散見されます。増税という大きな逆風を乗り越え、消費マインドが冷え込みから脱却しつつある現状に、多くの人が日本の底力を感じたのかもしれません。実態経済を支える現場の努力が、しっかりと数字に表れた結果だと言えます。
忍び寄る新型肺炎の脅威とこれからの日本経済
しかし、手放しで喜んでばかりはいられない現実が、同時に浮き彫りとなりました。2〜3カ月後の未来を見据えた「先行き判断指数」が、3.7ポイントも急落して41.8へと悪化してしまったのです。この冷や水を浴びせるような見通しの背景にあるのが、世界中を震撼させている「新型肺炎(新型コロナウイルス)」の感染拡大に他なりません。これまでの回復基調に、突如として巨大な暗雲が立ち込めています。
SNSやネットの掲示板では、早くも「観光地から外国人客が消えた」「これからは外出を控える人が増えて、また不景気になるのでは」といった不安や悲鳴が相次いで書き込まれていました。特にインバウンド(訪日外国人旅行)需要に依存していた観光業や飲食業、小売業への打撃は計り知れず、せっかく回復しかけた街角の活気が、再び一瞬にして奪われてしまうのではないかという恐怖感が日本全体を覆っています。
編集部としても、今回の調査結果が示す「光と影」には強い危機感を抱かざるを得ません。消費税増税を乗り越えた現場の底力は素晴らしいものですが、新型肺炎という未知の脅威は、個人の努力だけで抗えるものではないからです。政府には、この深刻な懸念を払拭するような迅速かつ徹底的な感染症対策と、経済の失速を防ぐための万全な支援策を強く求めたいところです。今後の動向から、ますます目が離せません。
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