2019年07月03日、東京ドームに詰めかけたファンは、真のエースが帰還した瞬間に立ち会うこととなりました。読売ジャイアンツの菅野智之投手が、中日ドラゴンズを相手に今シーズン初となる完封勝利を飾ったのです。試合終了の瞬間、右翼への大きな飛球を陽岱鋼選手が見事にキャッチすると、普段はクールな菅野投手が右拳を力強く突き上げました。その姿からは、これまでの苦悩をすべて払拭するかのような、熱い感情が溢れ出していたと言えるでしょう。
昨シーズンは年間で8回もの完封という驚異的な記録を打ち立てた菅野投手ですが、今季はここまで12試合の登板で完封がなく、苦しいマウンドが続いていました。エースとしての責任感が強い彼にとって、期待に応えられない日々は相当な重圧だったはずです。試合後のインタビューでは「達成感というか、忘れかけていた感覚をようやく思い出せました」と語り、柔らかな笑みを浮かべていたのが非常に印象的でした。自信を取り戻した男の表情は、実に晴れやかです。
今回の快投が持つ意味は、単なる1勝以上の価値があると感じます。なぜなら、2019年05月下旬に腰の違和感で戦列を離脱して以降、復帰してからも本来のキレが見られず、ファンからも心配の声が上がっていたからです。特に前回の登板となった2019年06月23日の福岡ソフトバンクホークス戦では、自己最短となる1回0/3での降板という屈辱を味わいました。そこからの見事な修正能力こそが、彼が日本屈指の右腕と呼ばれる所以でしょう。
今回の登板で彼が最も意識していたのは、試合の立ち上がりでした。野球用語で「完封」とは、一人の投手が試合終了まで投げ抜き、相手チームに1点も与えないことを指しますが、そのためには序盤の安定感が不可欠です。今季は序盤に失点してリズムを崩す「ばたつく場面」が目立っていましたが、この日は初回を完璧な三者凡退に抑えて勢いに乗りました。SNS上でも「これぞ菅野!」「日本のエースが帰ってきた」といった歓喜のコメントが溢れ返っています。
エースの完全復活がもたらす巨人優勝への期待感
私自身の見解を述べさせていただくと、菅野投手の復活はジャイアンツの優勝戦線において最大の補強に匹敵するインパクトがあります。どんなに強力な打線があっても、中心となる柱が揺らいでいてはチームの士気に関わります。今回、彼が132球という熱投で最後まで一人で投げきった事実は、リリーフ陣を休ませるだけでなく、チーム全体に「俺についてこい」という無言のメッセージを送ったに違いありません。この勝利を機に、巨人の快進撃が加速するでしょう。
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