ラグビーW杯開幕!香川からプロへ挑んだ片岡将選手が綴る「故郷への恩返し」と普及への情熱

2019年9月20日にラグビーワールドカップ(W杯)が日本で開幕し、列島が空前の熱気に包まれています。そんな記念すべきタイミングで、自らの現役生活を賭けて故郷のラグビー環境を変えようと奔走する一人のプロ選手がいます。日野レッドドルフィンズに所属する片岡将選手は、ラグビーの「後進県」とも揶揄される香川県の出身でありながら、厳しい競争を勝ち抜きプロ契約を勝ち取った稀代のラガーマンです。

香川県におけるラグビーの現状は、決して楽観視できるものではありません。全国高校ラグビー大会、通称「花園」での県勢の通算成績は1勝34敗と苦戦が続いており、ラグビー部を擁する高校もわずか4校に限られています。こうした環境下では、学業との両立が難しく競技を断念せざるを得ない若者が少なくありません。片岡選手自身も、高松北高校時代には進学か競技継続かという大きな葛藤を経験し、自らの道を切り拓いてきたのです。

プロとして結果が全ての厳しい世界に身を置きながら、彼は2019年2月に地元のラグビー関係者から「競技振興に力を貸してほしい」という打診を受けました。当初は競技パフォーマンスへの影響を懸念し、中途半端な気持ちで引き受けるべきではないと悩み抜いたそうです。しかし、30歳という節目を過ぎ、首都圏でのコーチングといった一般的なセカンドキャリアではなく、自分にしかできない「地元への還元」こそが使命であると確信し、二足のわらじを履く覚悟を決めました。

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競技力向上よりも「認知度」を!地元に根差した新しいラグビーの形

いざ活動を始めると、イベントの周知不足や関係者間の連携など、数多くの課題が浮き彫りになりました。しかし、片岡選手の情熱は着実に若者たちの心を動かしています。指導教室をきっかけに、一度は競技を離れた学生が自ら同好会を立ち上げるという奇跡も起きました。こうした「自発的な変化」を目の当たりにした彼は、香川において優先すべきは技術指導ではなく、まずはラグビーというスポーツを知ってもらう「認知度の向上」であると確信したのです。

2019年9月15日にさぬき市で開催されたイベントでは、瀬戸内海の絶景をバックにラグビー体験と地元のピザ作りを組み合わせるなど、競技の枠を超えたファンづくりに挑戦しました。SNS上でも「プロ選手が直接教えてくれるなんて夢のよう」「ラグビーが身近に感じられた」といった好意的な反響が広がっています。競技者だけでなく、温かく見守ってくれるファンを増やすことこそが、裾野を広げる唯一の道だという彼の戦略は、非常に理に適っていると言えるでしょう。

私自身の見解としても、地方におけるマイナースポーツの普及には、片岡選手のような「顔の見えるスター」の存在が不可欠だと考えます。組織の足並みを揃えるのは容易ではありませんが、プロの視点で「結果」にこだわる彼の姿勢は、停滞していた地域のラグビー界に新しい風を吹き込むはずです。自らの経験を後進に託し、持続可能な形で文化を根付かせようとする彼の挑戦は、2020年の東京五輪、そしてその先の未来へと繋がる大きな希望となるに違いありません。

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