2019年09月25日現在、世界をリードしてきた中国の電気自動車(EV)メーカーが、かつてないほどの苦境に立たされています。これまで飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続け、2020年には米国市場への本格参入を掲げていた比亜迪(BYD)や蔚来汽車(NIO)といった大手各社ですが、ここへ来てその野心的な計画を白紙に戻す事態へと追い込まれました。
この劇的な方針転換の背景には、泥沼化する米中貿易戦争の影が色濃く反映されています。アメリカのトランプ政権は、2019年10月にも中国製の自動車や関連部品に対して制裁関税を引き上げる方針を固めており、これがメーカー側にとって致命的なコスト増となるのは避けられません。さらに中国国内でもEV購入時の補助金がカットされたことで、足元の経営基盤が揺らぎ始めています。
SNS上では「中国製EVのハイテクな内装を楽しみにしていたのに残念だ」という落胆の声がある一方で、「関税合戦の影響がここまで目に見える形で現れるとは」と、経済情勢の厳しさを痛感するユーザーが続出しています。もはや一企業の努力だけではどうにもならない、国家間の巨大なパワーゲームに巻き込まれた格好と言えるでしょう。
貿易摩擦がもたらす「制裁関税」という高い壁
ここで改めて整理しておきたいのが「制裁関税」という仕組みです。これは特定の国からの輸入品に対して、通常の税率に上乗せして課される非常に高い税金のことを指します。これにより、中国で安く生産して米国で販売するというビジネスモデルが崩壊し、価格競争力を一瞬にして失ってしまうわけです。まさに保護貿易主義が牙を剥いた瞬間と言っても過言ではありません。
私個人の見解としては、今回の進出断念は一時的な撤退に留まらず、世界の自動車産業の勢力図を大きく塗り替える分岐点になると考えています。技術力で先行しつつあった中国勢が足止めを食らう間に、既存の自動車メーカーがどれだけ巻き返せるかが今後の焦点となるはずです。政治の動向が、最新技術の普及を阻害してしまう現状には、一抹の寂しさを禁じ得ません。
今後、中国メーカーが生き残るためには、米国以外の欧州や東南アジア市場へ活路を見出すのか、あるいは国内市場の立て直しに専念するのか、極めて難しい経営判断が迫られることになるでしょう。2019年後半から2020年にかけての彼らの動向から、ますます目が離せそうにありません。次世代モビリティの未来は、今まさに激動の渦中にあります。
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