新1万円札の肖像に選ばれ、現代日本においても「日本資本主義の父」として再注目を浴びる渋沢栄一。その深遠なる思想を、墨の芸術で表現する注目のイベントが幕を開けます。さいたま市を拠点に活動し、俳優の片岡鶴太郎さんの師匠としても高名な書家、金田石城氏による「渋沢栄一名言展」が、いよいよ開催される運びとなりました。
今回の展示の主役である渋沢栄一は、道徳と経済の両立を説いた「論語と算盤(そろばん)」の著者として知られています。「論語」とは中国の孔子の教えをまとめた倫理の経典であり、それと利益追求の象徴である「算盤」を融合させた彼の哲学は、100年以上の時を経てもなお、ビジネスパーソンの指針として輝きを放っているのです。
金田石城氏は、この偉大なる先人の言葉から、現代人の心に深く突き刺さる50のフレーズを厳選しました。SNS上では「渋沢の言葉が現代の閉塞感を打ち破ってくれそう」「金田先生の迫力ある書で、格言がより立体的に感じられるはず」といった期待の声が続々と上がっており、開催前から大きな注目を集めている状況です。
特に金田氏が感銘を受けた言葉の一つに、「事を成し物に接するには必ず満身の精神をもってせよ」というものがあります。これは、どんな些細な仕事や対人関係であっても、全精力を傾けて誠心誠意向き合うべきだという、渋沢流の成功哲学を端的に表しています。妥協を許さないその姿勢は、職人魂にも通じる厳かな響きを湛えています。
伝統と革新が交差する、魂を揺さぶる墨の芸術
また、「全て形式に流れると精神が乏しくなる。何でも日々新たにという心がけが大事である」という言葉も、今回の見どころの一つでしょう。型に嵌まることを嫌い、常に新鮮な気持ちで挑戦を続けることの重要性を説くこのメッセージは、変化の激しい現代社会を生き抜く私たちにとって、これ以上ないエールになるに違いありません。
金田氏はこれらの名言を表現するため、すべての作品を畳一畳分という圧倒的なスケールで統一しました。しかし、単なる統一感に留まらず、言葉の持つ温度感に合わせて書体や筆、墨の濃淡を巧みに使い分けています。構想に3年、執筆に2年という歳月を費やした渾身の力作群は、まさに書家の執念が宿った芸術作品といえるでしょう。
渋沢栄一と同じ埼玉県出身である金田氏は、「彼の言葉には綺麗事だけではない、泥臭い現実味がある」と語ります。経済の仕組みを創り上げながらも、同時に人間としての高潔な生き方を説き続けた渋沢の多面的な魅力が、力強い筆致を通してキャンバスから溢れ出しています。この熱量は、実物を目の当たりにしなければ決して味わえません。
この貴重な展示会は、2019年10月23日から2019年10月28日まで、高島屋大宮店にて入場無料で開催されます。埼玉県やさいたま市、深谷市といった自治体だけでなく、経済団体も一丸となって後援するこの一大イベントに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。渋沢の精神が、あなたの明日を変えるヒントをくれるかもしれません。
編集者としての私見ですが、渋沢栄一の思想がこれほどまでに支持されるのは、私利私欲ではなく「公(おおやけ)」を優先する姿勢に、私たちが原点回帰を求めているからだと感じます。AIやテクノロジーが進化する今だからこそ、金田氏が書で切り出す「人間としての根幹」に触れる時間は、何物にも代えがたい贅沢なひとときとなるでしょう。
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