🌟地域経済のバロメーターとして注目される新設法人の動向に、2018年、懸念すべき数字が示されました。東京商工リサーチが発表した調査結果によると、中国地方5県(鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県)において、この年に新たに設立された法人の総数は4,596社。これは前年比で5%もの減少となり、2年ぶりに起業件数が落ち込む結果となりました。
この減少の背景には、様々な要因が複合的に絡み合っているようです。特に顕著な落ち込みを見せたのは、製造業や建設業といった、多くの人手を必要とする労働集約型(ろうどうしゅうやくがた)産業です。これは、生産やサービス提供に際して、機械や資本よりも労働力に大きく依存する産業を指す専門用語です。これらの分野で起業が減少している事実は、深刻化する人手不足の状況を色濃く反映していると見ることができるでしょう。
多くの経営者が、現在の景気の先行きを慎重に見極める姿勢を強めており、事業拡大や新規参入への意欲が減退している様子がうかがえます。特に中小企業や地域経済を支えるこれらの基幹産業における起業の低迷は、将来的な地域経済の活性化にとって大きな障害となる懸念があります。SNS上でも、「地方の働き手不足は本当に深刻」「新しいことを始める余裕がないんだろう」といった、現状への不安や共感を示す声が多数見受けられます。
広島県が抱える課題は、特に深刻なものとして浮かび上がっています。県別の内訳を見ると、広島県での新設法人数の落ち込みが最も大きく、前年比7%減の1,865社にとどまりました。運輸業のように、インターネット通販(EC)の拡大を追い風として起業が増加した分野もあったものの、建設業や金融・保険業での大幅な減少が、全体の足を引っ張る結果になったのでしょう。
さらに、2018年7月頃に発生した西日本豪雨の影響も無視できません。この大災害により、同年7月から9月の期間で起業数が前年同期と比べて大幅に減少したことが、年間を通じた重荷として作用した可能性が高いでしょう。自然災害が地域経済、特に新設法人の動向にまで影響を及ぼすという事実は、地域社会のレジリエンス(回復力)を高めることの重要性を改めて示唆していると感じます。
私自身の見解を述べさせていただくと、この新設法人の減少傾向は、単なる景気循環の一現象として片付けるべきではないでしょう。労働力不足は、今後も地域経済にとって最大のボトルネックとなり続ける可能性が高いです。だからこそ、地域に根差した企業や自治体は、生産性の向上を図るためのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進や、多様な人材が働きやすい環境整備を急ぐべきだと強く考えます。新しい価値を生み出す起業家精神を育むためには、まずその土壌となる地域社会の持続可能性を確保することが最優先事項となるでしょう。
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