2019年11月05日の東京株式市場において、ヤフーを傘下に収めるZホールディングスの株価が目覚ましい躍進を遂げました。一時は前週末比で55円、率にして17%も急騰し、385円という2018年10月18日以来、約1年ぶりの高値を記録しています。この背景には、同年11月01日に発表された2019年04月から09月期の連結決算があり、直近の業績拡大が投資家から極めてポジティブに受け止められた結果と言えるでしょう。
最終的な終値も16%高の384円と高水準を維持し、東証1部の売買高および値上がり率ランキングで堂々の首位に輝きました。特筆すべきは売買代金の膨らみ方で、前営業日の4倍を超える熱狂ぶりが市場を包み込んでいます。SNS上でも「ヤフーの時代が再来した」「PayPayの勢いが数字に表れた」といった驚きの声が相次ぎ、個人投資家から機関投資家まで幅広い層がこの銘柄に熱い視線を注いでいる様子が手に取るように伝わってきます。
PayPayを核としたエコシステムの爆発的普及
2019年07月から09月期の営業利益は394億円に達し、前年同期比で11%の増益を達成しました。主力であるポータルサイトの広告収入が堅調に推移したことに加え、ネット通販分野では傘下のアスクルが収益に大きく貢献しています。そして何より市場が注目したのは、成長の柱であるスマホ決済サービス「PayPay(ペイペイ)」の圧倒的な普及スピードです。これはバーコードやQRコードを用いたキャッシュレス決済の代表格として、今や生活に欠かせない存在となっています。
PayPayの決済回数に目を向けると、2019年01月から03月期の2160万回から、直近の07月から09月期には9612万回へと、わずか半年で4倍以上も激増しました。野村証券のアナリストも、この決済プラットフォームを起点とした中長期的な利益成長に太鼓判を押しており、目標株価を520円へと引き上げています。私は、この圧倒的なユーザー体験の提供こそが、既存の金融構造を塗り替える真のイノベーションであると確信しており、今後の展開には期待しかありません。
一方で、市場関係者からは、株価水準が手頃であるために短期的な利益を狙う個人投資家の売買が集中したとの指摘も上がっています。しかし、決済データの蓄積がもたらす広告や金融事業への相乗効果を考えれば、単なる一時的な流行に留まるとは考えにくいでしょう。2019年11月05日に見せたこの勢いは、日本がキャッシュレス社会へと本格的に舵を切る象徴的な場面として、多くの人々の記憶に刻まれるに違いありません。
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