チリ外相が語る決意!2020年のTPP11批准と自由貿易が生む「格差是正」への新たなシナリオ

南米の優等生と称されるチリがいま、大きな転換点を迎えています。2019年11月26日、来日中のテオドロ・リベラ外相は、首都サンティアゴを中心に激化している抗議デモへの対応と、今後の経済戦略について力強いメッセージを発信しました。リベラ氏は、この混乱を単なる危機として捉えるのではなく、より強固な社会基盤を築くための「絶好のチャンス」に変えると宣言しています。

現在チリで続いているデモは、経済格差に対する国民の切実な叫びから始まりました。これを受け、当初11月中旬に予定されていたAPEC首脳会議の開催も断念せざるを得ない厳しい状況にあります。リベラ外相は、経済的な発展が社会全体の豊かさに直結していなかった事実を認め、今後は最低賃金の底上げや年金制度の充実など、中間層の生活を支える政策を最優先で進める方針を明確に示しました。

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経済の命綱「自由貿易」を貫くチリの国家戦略

社会制度の抜本的な改革を進める一方で、リベラ外相は「自由貿易を重視する姿勢は揺るがない」と断言しています。自由貿易とは、国と国との間で関税などの壁を取り払い、自由に商品を売り買いする仕組みのことです。広大な領土や膨大な人口を持たないチリにとって、世界市場と繋がることは経済成長に欠かせない生命線に他なりません。もし国を閉ざしてしまえば、自慢のワインや農産物を世界へ届ける道が途絶えてしまうからです。

その戦略の中核となるのが「TPP11」です。これは日本を含む11カ国が参加する巨大な経済圏を作る協定で、正式には「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」と呼ばれます。チリはこの協定の前身から深く関わってきましたが、国内の手続きが一部遅れていました。リベラ氏は、国内の議論を慎重に進めながらも、2020年上半期には批准手続きを完了させたいという前向きな意向を表明しています。

SNS上では、チリの混乱を案じる声とともに「自由貿易こそが再建の鍵になるのか」といった議論が活発に交わされています。私自身の見解としても、社会保障を充実させるための財源を確保するには、健全な経済成長が不可欠だと考えます。内政の安定と外向的な貿易の推進という、極めて難しいバランスをどう取っていくのか。リベラ外相が率いるチリの舵取りは、同じく民主主義の課題に直面する国々にとっての試金石となるでしょう。

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