日産自動車が発表した2019年4月1日から2019年9月30日までの半年間の決算報告は、自動車業界に大きな衝撃を与えています。同期間における世界全体の販売台数は250万台に留まり、前年同期と比較して7%もの減少を記録しました。かつては好調を維持していた主要市場でも軒並み勢いを欠いており、巨大市場である中国ですら成長にブレーキがかかっている状況です。
SNS上では「かつての技術の日産を取り戻してほしい」といったファンの切実な声や、「値引きばかりでブランドイメージが心配」という厳しい指摘が相次いでいます。特に中国市場では、前年同期に11%もの二桁成長を見せていた反動もあり、今回の0.3%減という数字は単なる微減以上の深刻さを物語っているでしょう。こうした市場の冷え込みは、日産が現在抱えている構造的な課題を浮き彫りにしています。
販売不振の大きな要因として挙げられるのが、主力車種のモデルチェンジが滞っている点です。現在、世界的に人気が高いSUV(多目的スポーツ車)ですが、日産の主力モデルは4年以上も刷新されていません。2018年後半からは米国や中国で主力セダンの新型を投入したものの、期待されたほどの爆発力はなく、商品力という根本的な部分でライバルに一歩譲っている印象を拭えないのが現状です。
値引き依存からの脱却と新体制への期待
魅力的な新型車の不足は、結果として「販売奨励金(インセンティブ)」への過度な依存を招いています。これはディーラーが値引き販売を行うための原資としてメーカーが支払う補助金のことですが、米国では1台あたり約4600ドル(約50万円)にまで膨らんでいるのです。業界平均より1割も高いこの数字は、値引きをしなければ車が売れないという苦しい台所事情を如実に示しているといえるでしょう。
2019年11月13日の発表では、通期の販売見通しも下方修正されました。次期CFOのスティーブン・マー氏は、世界的な需要の不透明さが続くと警鐘を鳴らしています。貿易摩擦の激化や金融機関の姿勢など、外部環境の厳しさに加え、資材価格の高騰や為替の変動も利益を圧迫しています。私は、今こそ日産が「価格」ではなく「価値」で選ばれる企業へ立ち戻るべき重要な局面に立っていると感じます。
こうした試練の中、2019年12月に新社長へと就任する内田誠氏は、極めて重いタスクを背負うことになります。足元の業績立て直しはもちろんですが、次世代の自動車業界を定義する「CASE」への対応は待ったなしです。ここでいうCASEとは、コネクテッド(接続性)、オートノマス(自動運転)、シェアリング(共有)、エレクトリック(電動化)の頭文字を取った、100年に一度の変革期を指す言葉です。
さらに、仏ルノーとの資本関係の見直しや協力体制の構築など、経営の土台を固めるための課題も山積みとなっています。個人的な見解としては、内田新体制がいかに早く具体的な「未来のビジョン」を打ち出せるかが、日産復活の鍵を握ると考えます。混乱を乗り越え、再び世界を驚かせる技術革新を見せてくれることを、多くのユーザーが待ち望んでいるに違いありません。
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