シニアツアー屈指の精度!田村尚之に学ぶ「ハンドレート」でグリーンを射抜くアイアン術

2019年11月24日、今シーズンの国内シニアツアーが全日程を終えました。参戦6年目を迎えた田村尚之選手は、全18試合にフル出場という鉄人ぶりを発揮しています。3年ぶりの勝利こそ届きませんでしたが、8月のファンケルクラシックで2位タイ、日本シニアオープンでも4位に食い込むなど、賞金ランキング12位という堂々たる成績を収めました。

特筆すべきは、ショットの正確性を示す「パーオン率」の高さでしょう。規定の打数より2打少ない状態でグリーンに乗せるこの指標において、田村選手は昨年のツアー1位に続き、2019年度も3位を記録しました。上位2名が海外選手であることを踏まえれば、日本勢では実質ナンバーワンの精度を誇っているといっても過言ではありません。

この驚異的な安定感を支えているのが、独自のアイアンショットの哲学です。田村選手の理論は非常にシンプルで、ドライバーからパターに至るまで、アドレスの考え方は一切変わりません。右手が左手よりも低い位置でグリップを握る以上、スイングの最下点でボールを捉えるには、体の中心にボールを置き、手元を球より後ろに構える「ハンドレート」が最も理屈に合うのです。

SNS上では「アマチュアからプロになった田村プロの理論は説得力が違う」「ハンドファースト全盛の中で、この構えで結果を出すのは希望の光」といった驚きと称賛の声が多く寄せられています。多くのゴルファーが「上から打ち込む」ことに苦戦する中、彼のスタイルは現代の低重心アイアンの性能を最大限に引き出す、極めて合理的な選択と言えるでしょう。

一般的に推奨される「ダウンブロー」は、クラブを鋭角に振り下ろしてボールを潰すように打ちますが、田村選手は払い打つような「レベルブロー」を推奨しています。クラブの設計上の角度、つまりロフト通りに球を捉えるため、自然と高く柔らかな弾道が生まれます。周囲から球の高さを驚かれる一方で、飛距離自体は他の選手より1番手ほど飛ばないのが特徴です。

しかし、田村選手は「飛ばないこと」を全く気にしていません。彼は7番アイアンで156ヤード飛ばすことを基準とし、同伴競技者よりも大きめのクラブを迷わず選択します。飛距離を競うのではなく、高い弾道でピンをデッドに狙い、確実にグリーンに止めることこそがスコアメイクの本質であることを、その高いパーオン率が見事に証明しています。

ゴルフにおいて「型」に固執しすぎるのは危険ですが、田村選手の柔軟な発想には学ぶべき点が多いと感じます。飛距離偏重の風潮に一石を投じる彼のスタイルは、スコアアップに悩む多くの読者にとって、大きなヒントになるはずです。自分に合った基準を見つけ、道具の性能を信じて振ることの大切さを、改めて教えられた気がします。

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