女性の人生において、第1子の出産はキャリアの大きな分岐点となることが、最新の調査データから浮き彫りになりました。独立行政法人・労働政策研究・研修機構が2018年11月から2018年12月にかけて実施した「第5回子育て世帯全国調査」の結果は、働く女性たちに衝撃を与えています。約2000世帯の回答を分析したところ、出産後もキャリアを中断せずに継続した女性は、その後の就業率や正社員としての割合が圧倒的に高いことが判明したのです。
一方で、育児のために一度職場を離れた女性が再び正社員として活躍するハードルは、依然として極めて高いのが実情でしょう。一度仕事を辞めた女性のうち、再び正社員の座を掴めているのは全体のわずか1割にも満たないという、厳しい現実が突きつけられています。SNS上でも「これほど差があるとは思わなかった」「再就職の壁が厚すぎる」といった、将来への不安や社会構造への疑問を呈する声が数多く上がっており、切実な問題として捉えられています。
生涯所得で見るキャリア中断の代償
今回の調査を担当した周燕飛主任研究員は、日本特有の労働慣行について警鐘を鳴らしています。海外諸国と比較しても、日本は一度レールを外れると元のキャリア形成、つまり「着実な昇進やスキルの蓄積ができる雇用環境」に戻ることが非常に困難な傾向にあるのです。子育てという尊い時間が、結果として職業人生の中断に直結してしまう現状は、経済的な側面から見ても看過できない大きな損失を生み出していると言わざるを得ません。
周氏の試算によれば、出産を機に仕事を辞めた場合の生涯所得の損失は、高卒で1億円、大卒では実に2億円にものぼると予測されています。生涯所得とは、一生の間に手にする賃金の総額を指しますが、これだけの巨額な差が生じる事実は驚きですよね。私個人の見解としても、個人の努力だけではどうにもならない構造的な問題が潜んでいると感じます。出産というライフイベントが、これほどまでの経済的格差を生む現状は、早急に改善されるべきでしょう。
明るい兆しとしては、第1子出産後の就業継続率が緩やかに上昇している点が挙げられます。2019年12月02日現在のデータでは、母子世帯で36.3%、ふたり親世帯で35.1%となっており、2016年の前回調査から着実に数字を伸ばしました。社会全体で仕事と育児の両立を支える機運が高まっている証拠かもしれません。女性が自分らしいキャリアを諦めずに済むよう、企業や行政にはさらなる柔軟な働き方の提示が求められているはずです。
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