サッカー界の「時代の寵児」として常に話題を振りまいてきた本田圭佑選手が、新天地オランダで早くも激震に見舞われています。2019年11月に1部リーグのフィテッセへ電撃加入してからわずか1カ月足らずですが、彼を取り巻く環境は劇的な変化を遂げました。
苦境の引き金となったのは、かつてロシアのCSKAモスクワ時代に師弟関係を築いたスルツキ前監督の辞任です。恩師の存在を理由に加入を決めた本田選手にとって、2019年11月末の監督交代はあまりに大きな痛手であり、「ここにいる意味が半分失われた」と正直な胸の内を明かしています。
戦術の「黒子」へ。ベテランが抱く葛藤と哲学
2019年12月8日に行われたフェイエノールト戦において、本田選手はスタメンから外れるという厳しい現実を突きつけられました。途中交代でピッチに立った彼は、かつてのような華やかなゴールハンターではなく、チームのバランスを整える「黒子」としての役割に徹する姿を見せたのです。
自身の立ち位置を冷静に分析する一方で、彼は現状に対して隠しきれない焦りも口にしています。33歳という年齢を迎え、「死に向かっている」という独特の死生観を語る姿からは、1日1日の重みが20代の頃とは比較にならないほど増しているという、プロとしての凄みが伝わってきます。
SNSでは「本田の言葉には重みがある」という称賛の一方で、「監督が変われば構想外になるのはプロの常だ」という厳しい声も上がりました。私は、彼が単にワガママを言っているのではなく、自分の価値を最大化できる環境を渇望する「プロフェッショナルの本能」に従っていると感じます。
東京五輪へのラストスパート。森保監督への逆アピール
彼を突き動かす最大の原動力は、2020年に控える東京五輪に他なりません。オーバーエイジ枠(24歳以上の特別枠)での出場を勝ち取るため、自身のプレースタイルまで改造して準備を進めています。日本代表を率いる森保一監督に対し、「アドバイスが欲しい」とまで直訴する姿は異例です。
本田選手はすでに、冬の移籍市場での退団さえも示唆しており、自分が納得できる「意義ある場所」での競争を求めています。挑戦を止めない姿勢は、多くのファンに勇気を与える一方で、常に綱渡りのような緊張感を伴います。彼が次にどの地を選ぶのか、その動向から目が離せません。
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