四方を雄大な山々に囲まれた長野県は、これまで道路網の整備においていくつかの課題を抱えてきました。しかし、2020年は信州の交通インフラが劇的に進化を遂げる記念すべき1年になりそうです。その中核となるのが、国土交通省長野国道事務所が着工の準備を進めている中部縦貫自動車道の「松本波田道路」です。このプロジェクトはまもなく本格的な工事が始まる予定で、地元の方々をはじめ多くの人々から熱い視線が注がれています。
SNS上でもこのニュースは大きな話題となっており、「これで北陸や飛騨へのアクセスが格段に良くなる」「山道を通らずにスムーズに移動できるのは本当にありがたい」といった、開通を心待ちにする声が多数寄せられました。中部縦貫自動車道とは、長野自動車道から東海北陸自動車道、そして北陸自動車道までを一本に結ぶ、総延長約160キロメートルの壮大な広域交通ネットワークのことです。今回の事業はその重要な一歩を担うことになります。
今回の計画では、長野自動車道に新しく「松本ジャンクション(仮称)」が設けられ、そこから西へ向かう約5.3キロメートルの区間が建設されます。ジャンクションとは、異なる高速道路同士を連結して車が行き来できるようにする接続施設のことです。距離自体は短く感じられるかもしれませんが、長野県が北陸地方と強固に結ばれるための極めて価値のある第一歩と言えるでしょう。
観光と経済に革命をもたらす広域ネットワークの誕生
この中部縦貫自動車道がすべてつながると、観光面で素晴らしい相乗効果が生まれると予想されます。例えば、人気の観光地である飛騨高山や白川郷と松本市を、短時間で快適に巡るような魅力的な旅行ツアーが次々と誕生するはずです。長野の豊かな自然と岐阜の歴史的な街並みをシームレスに楽しめるようになれば、国内外から訪れる旅行客がさらに増えることは間違いありません。
さらに、2020年は静岡県との距離も一気に縮まる見込みです。中央自動車道と新東名高速道路をドッキングさせる中部横断自動車道のうち、山梨県内に残されていた未開通区間がいよいよ完成を迎えます。これにより、信州から駿河湾へのアクセスが驚くほど向上します。
この開通を見据えて、静岡県は長野県に向けて新鮮な海の幸を届けるための流通網ビジネスの実証実験をすでにスタートさせています。2019年11月には静岡県富士市が松本市内で観光展示会を開催し、海のない長野県の人々へ自慢の海産物を大々的にアピールしました。こうした動きからも、道路の開通がもたらす経済的な波及効果への期待がいかに大きいかがうかがえます。
筆者としては、今回の道路網の整備は単なる移動時間の短縮に留まらず、長野県に「海の文化」と「山の文化」を融合させる歴史的な転換点になると確信しています。物流が活発になれば、信州の美味しい農産物と静岡の新鮮な魚介類が素早く行き交い、双方の食文化や経済がさらに豊かになるでしょう。道がつながることで生まれる新しい人の流れとビジネスの可能性に、今からワクワクが止まりません。
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