脱・東京一極集中!なぜ海外の天才クリエイターや超一流職人は「金沢・北陸」を目指すのか?

有効求人倍率や女性の就業率が全国トップクラスを誇る北陸3県が、今、劇的な変化を遂げています。地域経済のさらなる躍進には、外部からの人材呼び込みと地元住民の新しい働き方への挑戦が不可欠です。三大都市圏へのアクセスの良さや豊かな文化的基盤という強みを活かし、いかに魅力的な労働環境を創出するか、最前線の動きに迫ります。

SNS上でも「地方移転のロールモデルになりそう」「大都市にはないインスピレーションが地方には眠っている」と、北陸のポテンシャルに期待を寄せる声が数多く上がっています。

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米ピクサー出身の気鋭スタジオが渋谷から金沢へ移転した理由

映画「トイ・ストーリー」などを手掛けた米ピクサー出身のアートディレクターらが2014年に設立した米アニメ制作会社「トンコハウス」は、2019年以降、スタッフが続々と石川県金沢市を訪れています。同社は2015年に米アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされた実力派です。実は2019年3月まで日本法人を置いていたのは東京・渋谷でした。IT企業が集まる最先端の地から、なぜ金沢を選んだのでしょうか。

日本法人代表の堤大介氏は、過密な大都市の限界と閉塞感を以前から痛感していたと語ります。一方の金沢には息苦しさがなく、日本の歴史や文化が色濃く残る街並みは、クリエイターにとって至高のインスピレーションの源になるそうです。現在は料亭だった町家を改装した新スタジオの開設を進めており、国内外の才能が交わる創作拠点としての魅力が証明されています。

世界的な名著「ライフシフト」では、多様な人材が集まりネットワークを築く「創造性の集積地」が今後の鍵になると提唱されました。伝統と芸術が息づく金沢は、まさにこの条件を完璧に満たしていると言えます。単に観光地として消費されるだけでなく、クリエイティブな「働く場」として外国人に選ばれ、定着してもらう流れを作ることは、今後の地方創生における最大の最適解だと私は確信しています。

マレーシアのVIPをもてなした女性職人が魅せる地方発のグローバル対応

外国人が集まれば、彼らの生活や仕事を支える新たなビジネスが誕生します。2019年4月、金沢駅の近くにオープンしたすし店「はた中」は、外国人への手厚いおもてなしで話題を呼んでいます。料理長を務めるのは、マレーシアの有名店で修業を積み、同国のナジブ前首相をもてなした実績もある畠中亜弥子さんです。一般的な職人とは逆のルートで、海外で培った最先端の接客ノウハウを金沢に逆輸入しました。

奈良県出身の畠中さんが金沢行きを決めたのは、ゲストハウスを運営するグッドネイバーズの吉岡拓也代表からの熱いスカウトがきっかけでした。「海外での経験を活かし、英語力を磨き続けられる最高の環境」として金沢を捉えています。2045年には石川県の人口が2015年比で2割減の94万人になると推計される中、このように国内外から優秀な人材を呼び込む好循環こそが、人口減少時代を生き抜く地方の起爆剤になるでしょう。

福井・富山でも開花するグローバル人材の情熱と至高のクラフトビール

外国人が活躍する波は、福井県や富山県にも広がっています。福井市の老舗繊維商社「広撚」では、フランス出身のマーティン・マチューさんが海外営業として手腕を発揮しています。2008年の留学を機に福井を愛し、一度は帰国したものの、日本の治安の良さや温かい行政対応が忘れられずに再来日しました。欧州の視点と福井の伝統を融合させ、名門エルメスへ自社商品を売り込むなど、素晴らしい成果を上げています。

また、富山市ではチェコ出身のジリ・コティネックさんが2017年に「Kobo Brewery(コボブルワリー)」を立ち上げました。妻の故郷であるという縁に加え、ビール造りに不可欠な「富山の清らかな名水」が決め手となりました。現在は他社の工場を間借りして製造していますが、2020年夏までには富山県内に自社工場を開設する予定です。地方には、東京では手に入らない極上の「資源」があり、それを見抜く外国人の視点こそが、地域の眠れる資産を覚醒させるのです。

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