千葉県の事業承継支援にブレーキ?後継者不足の危機を救う相談体制と周知の強化が急務に

中小企業の未来を左右する「事業承継」の現場から、気になるニュースが飛び込んできました。千葉県や県内の自治体、商工団体などが一体となって取り組んでいる事業承継支援の動きに、現在、思わぬブレーキがかかっています。支援側のマンパワーや体制が十分に整っておらず、経営者の皆様に対して事業承継への準備を促し切れていない実態が浮き彫りになりました。後継者不足という課題は、企業の休廃業に直結する極めて深刻な問題です。

インターネット上やSNSでも、この問題に対する関心は非常に高まっています。「うちの地元の名店も後継者がいなくて潰れてしまった」「他人事ではない、相談窓口がもっと身近にあればいいのに」といった、危機感や切実な声を漏らすユーザーが数多く見受けられます。全国的に見れば支援の輪が活発に広がっている時期だからこそ、千葉県における相談体制の強化や、経営者層へのさらなる周知活動がまさに急務と言えるでしょう。

具体的な数字を見ていくと、その減少傾向は明らかです。自治体や金融機関などが結成した「事業承継支援ネットワークちば」では、経営者に直接課題を尋ねる「事業承継診断」を実施しています。これは企業の現状を把握し、次世代へのバトンタッチを円滑にするための最初の健康診断のようなものです。しかし、2017年6月から2018年3月までの期間に4827件を記録して以降、その実績は一貫して落ち込んでいます。

続く2018年度の診断件数は3543件と、前年度から3割近くも減少する結果となりました。さらに2019年度を迎えてもこの勢いは戻らず、2019年4月から2019年9月までの実績は1077件にとどまり、前年の同じ時期と比べて7割程度にまで冷え込んでいます。全国的には経営者の高齢化に伴って診断件数が爆発的に増えている状況ですが、なぜか千葉県内では思うように足並みが揃っていないのが現状です。

中小企業庁は2019年8月、全国的な需要の波を受け、各都道府県の目標値を上方修正しました。千葉県に対しては、従来の約3倍となる年間5534件という高いハードルが新たに提示されています。しかし、2019年9月30日時点での達成率はわずか2割弱という厳しい情勢です。ネットワークの運営を担う千葉県事業引継ぎ支援センターも「達成に向けて追い込みをかける」と意気込みますが、目標達成への道のりは不透明と言わざるを得ません。

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商工団体との連携と出張相談会の定期化で巻き返しへ

なぜ千葉県で事業承継診断が進まないのでしょうか。その大きな要因として、地元の商工団体が会員企業に対して継続的なヒアリングを行えていない点が挙げられます。危機感を募らせたネットワークは、2019年度から新たな対策を打ち出しました。これまで単発だった出張相談会を定期開催へと変更し、日中に時間が取れない経営者のために、夜間や休日をカバーするセミナーも本格的にスタートさせています。

さらに、専門家である「中小企業診断士(企業の経営状況を分析し、成長のためのアドバイスを行う国家資格を持った専門家)」に加えて、商工団体の指導員も同席する実地研修にも力を入れ始めました。千葉県商工労働部経営支援課も「診断は最初の大切な入り口」と位置づけており、まだ関心が薄い経営者に対しても粘り強くアプローチし、掘り起こした課題を専門家へとつなぐ支援強化の方針を示しています。

エディターの視点として、この事業承継問題は決して一地域だけの課題ではなく、日本の経済基盤を揺るがしかねない最重要テーマだと考えます。経営者が「まだ大丈夫」と考えているうちに時間は過ぎてしまうため、周囲がどれだけ早く気づき、寄り添えるかが勝負です。千葉県が今回始めた夜間セミナーや専門家との連携強化といった泥臭い草の根運動こそが、眠っている経営者の意識を変える突破口になると私は強く確信しています。

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