映画でも大ヒット!ワンダーウーマンの歴史から紐解くフェミニズムと女性像の変遷

アメリカン・コミックを代表する最強のヒロイン、ワンダーウーマン。彼女が2016年3月25日公開の映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』でスクリーンに初登場した際、その圧倒的な存在感に心を奪われた方も多いのではないでしょうか。ミス・イスラエルに輝いた経歴を持つガル・ガドット氏が演じる彼女の姿は、世界中で大きな話題を呼びました。現在はパティ・ジェンキンス監督による新作映画の製作も進んでおり、ファンの期待は高まるばかりです。

この世界的な人気キャラクターが誕生したのは、第2次世界大戦の最中である1941年12月のことです。歴史の荒波の中で生まれた彼女の軌跡を、ハーバード大学の歴史学教授であるジル・ルポール氏が鮮やかに描き出した書籍が注目を集めています。本書は膨大な歴史的資料や関係者への綿密なインタビューをもとに、時代ごとに変化してきた「女性の理想像」をフェミニズムの視点から深く掘り下げた、まさに渾身の労作と言えるでしょう。

SNS上でも本書に対する反響は大きく、「単なるアメコミの解説書ではなく、近代女性の権利獲得の歴史書として読み応えがある」「ワンダーウーマンの見方がガラリと変わった」といった熱い声が続々と寄せられています。多くの読者が、ポップカルチャーの象徴である彼女の背後に隠された、社会運動との深い結びつきに驚きを隠せないようです。現代を生きる私たちにとっても、彼女の歴史を知ることは非常に有意義な体験になるに違いありません。

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時代を映す鏡!戦うヒロインが歩んだ変遷

物語の中で、女性だけが暮らす神秘の島で育ったダイアナことワンダーウーマンは、大戦中のアメリカへと渡ります。彼女はナチス・ドイツや日本軍といった外敵に立ち向かう一方で、アメリカ国内における女性の権利向上や民主主義の理想を掲げて戦いました。社会的な思想や運動を大衆に宣伝・浸透させる「プロパガンダ」としての側面を強く持って生まれた彼女は、当時の抑圧された女性たちにとって解放のシンボルだったのです。

しかし、戦争が終わると彼女を取り巻く環境は一変します。戦後の安定期に入ると、かつての過激とも言える戦闘的なキャラクターは影を潜めていきました。それでも、1970年代に社会的・政治的な平等を求めるフェミニズム運動(女性解放運動)が再び高揚を迎えると、彼女は再びその象徴として脚光を浴びることになります。時代が必要とする女性像に合わせて、彼女の役割もまた進化を続けてきたことが窺えます。

2010年代以降、言葉や表現において人種や性別による偏見・差別をなくそうという思想「ポリティカル・コレクトネス」が世界的な潮流となりました。この記事が執筆されている現在、ワンダーウーマンは「性の平等と多様性」を体現する、最も重要なアイコンとして世界中にそのメッセージを広げています。彼女の姿は、私たちが目指すべき公正な社会のあり方を常に問いかけているように感じられます。

一人のキャラクターの歴史をたどることは、社会が女性をどう見てきたかという歴史そのものを目撃することに他なりません。ポップカルチャーが持つ影響力は絶大であり、エンターテインメントを通じて社会意識を改革していく試みには、編集部としても強く共感いたします。多様性が叫ばれる今の時代だからこそ、この本を通じて彼女の真の姿に触れ、未来の社会について考えてみてはいかがでしょうか。(青土社・3200円、鷲谷花氏訳)

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