薄着の季節に向けて、自宅で手軽にムダ毛処理ができる除毛剤を利用する方が増えています。しかし、その便利さの裏で深刻な肌トラブルが多発していることをご存じでしょうか。国民生活センターの発表によると、2014年4月から2019年10月末までの約6年間で、なんと700件を超える相談が寄せられているのです。SNS上でも「肌が真っ赤に腫れた」「ヒリヒリして痛い」といったリアルな悲鳴が続出しており、決して他人事ではない状況が浮き彫りになっています。
特に注目すべきなのは、若い男性の被害が急増している点でしょう。2015年度にはわずか1件だった男性からの相談が、2019年度には10月末時点で138件へと跳ね上がりました。女性の相談者は40代が中心であるのに対し、男性は20代や10代といった若年層に被害が集中しています。清潔感を意識する若い男性が増えたことで、手軽なケア商品として除毛剤に手を伸ばすケースが多くなっているようです。
トラブルの原因を紐解くと、男女で異なる傾向が見えてきました。女性の多くは腕や脚のケアで痛みを訴えていますが、男性の場合は顔面や頭部への使用による肌荒れが4割以上を占めています。実は、一般的な除毛剤は「チオグリコール酸アルカリ塩」などの成分で毛の主成分であるタンパク質を化学的に溶かす仕組みです。そのため、皮膚が薄くてデリケートな顔や髭への使用は想定されていません。同センターの調査でも、市販の10製品の中に顔に使用できる製品は1つもありませんでした。
筆者の視点としても、美意識が高まる一方で商品の正しい使用法が浸透していない現状には強い危機感を覚えます。パッケージの注意書きを軽視せず、事前に狭い範囲で試すパッチテストを徹底することが重要でしょう。
ATMのサーモグラフィーが詐欺を防ぐ?神奈川県警の驚きの新試み
私たちの身の回りでは、肌の安全だけでなく、資産の安全を守るユニークな取り組みも始まっています。2020年1月10日までに、神奈川県警座間署は特殊詐欺の被害を未然に防ぐため、画期的な実験を開始しました。ゆうちょ銀行座間店(座間市)の窓口と現金自動預払機(ATM)に、物体の表面温度を測定できる「サーモグラフィーカメラ」を試験的に導入したのです。金融機関への設置は全国初の試みとして注目を集めています。
このシステムは、人が恐怖や緊張、興奮を感じた際に皮膚の温度が上昇するという生理現象を応用したものです。特殊詐欺の犯人から電話を受け、慌てて大金をおろしに来る高齢者は、冷静さを失い心身ともに極度の緊張状態にあります。そこでカメラが36度以上の異常な皮膚温を感知した際、銀行員が声をかけたり通報したりする判断の基準として活用される仕組みです。
SNSでは「プライバシーは大丈夫なのか」と心配する声も一部で上がりましたが、個人を特定するわけではないため問題はないと説明されています。さらに、被害者だけでなく、詐欺グループの現金引き出し役である「出し子」も同様の緊張状態にあると考えられます。そのため、不審な人物を早期に発見する防犯対策としても大きな期待がかかるでしょう。テクノロジーを駆使したこの防犯の試みが、全国へ広がり安心な社会につながることを切に願います。
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