2020年1月18日、いよいよ最後の大学入試センター試験が幕を開けました。「今年で絶対に合格を決める」という受験生たちの熱い決意が全国の試験会場から伝わってくるようです。未来を見据えた彼らの動向には、現代の社会情勢が色濃く反映されています。
特に注目すべきなのは、人工知能(AI)などの技術革新を背景にした「情報系学部」の凄まじい人気でしょう。大手予備校の河合塾が2019年10月に実施した全国模試のデータを紐解くと、国公立大学の情報系を志望する受験生が前年比で18%も増加していることが判明しました。
私立大学でも5%増を記録しており、電気電子や通信情報といった工学系の分野も同様に前年を上回る活況を見せています。この過熱ぶりに応えるように、2020年度には長崎大学の情報データ科学部や福知山公立大学の情報学部など、実践的な学びを提供する専門学部の新設が相次いでいるのです。
ネットやSNSでもこのトレンドは大きな話題を呼んでいます。「今の時代を考えたら当然の選択」「就職を考えれば情報一択」「新設学部はチャンスが広がりそう」といった、受験生や保護者世代の前向きな声が溢れており、社会のデジタル化への関心の高さがうかがえるでしょう。
編集部としては、この情報系人気は単なる一時的な流行ではなく、産業構造の変化を捉えた賢明な選択だと考えます。ビッグデータ(膨大なデータ群)を扱うデータサイエンティスト(データを分析して活用する専門家)への需要は高まる一方であり、時代のニーズに合致しているからです。
難関を避けて手堅く決める?激変期ゆえの強い安全志向
一方で、2021年度から新たな共通テストへと移行する激変期だからこそ、受験生の間で「安全志向」が極めて顕著になっています。失敗して浪人することを避けたいという心理から、難関大学を敬遠し、早期に合格を確定させようとする動きが強まっているようです。
実際に河合塾が2019年11月時点で集計したデータによると、私立大学の推薦入試の志望者は前年から3%増加しました。さらに、受験生の個性を多角的に評価するAO入試(アドミッション・オフィス入試)にいたっては、13%増という大幅な伸びを記録しています。
文理別の動向に目を向けると、模試の受験者のうち文系志望者が55%を占めており、ピークだった2017年の57%に比べれば微減したものの、依然として高いシェアを維持しています。就職を見据えつつも、得意分野で確実に合格を狙う姿勢が見て取れるでしょう。
SNS上では「新しいテストの仕組みが不透明だから、現役で決めるのが大正解」「AOや推薦の枠が増えるのは受験生にとって救いになる」といった、制度への不安と安全志向への共感の声が多数寄せられており、心理的なプレッシャーの大きさが生々しく共有されています。
変わりゆく入試制度の中で、自分の将来を見据えて情報系に挑む挑戦心と、現役合格を確実にするための冷静な戦略が見事に同居していると言えます。それぞれの未来を切り拓くために、最後のセンター試験に挑むすべての受験生の健闘を心から応援したいものです。
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