中四国エリアを中心に地域密着型の店舗展開を続けている流通大手のイズミが、2019年3月から2019年11月期における連結決算を公表しました。発表された内容によると、企業の最終的な儲けを示す純利益は、前年の同じ時期と比べて11パーセント減少の136億円となっています。売上高に該当する営業収益自体は、新しい店舗の出店が功を奏して3パーセント増の5497億円を記録したものの、利益の面では苦戦を強いられる結果となりました。
この業績の背景には、2019年10月に実施された消費税率の引き上げが大きく関係しています。増税に伴って生活者の購買意欲が冷え込む「消費マインドの悪化」が直撃した格好です。さらに、身近な日用品を安く提供するドラッグストアや、24時間いつでも立ち寄れるコンビニエンスストアとの競合が激しさを増しています。食品スーパーを取り巻く環境は、私たちが想像する以上に過酷なサバイバルレースへと突入しているのでしょう。
加えて、広島東洋カープがリーグ優勝を逃したことも客足に響きました。同社は2016年から2018年まで、チームの栄冠を祝う大規模な応援セールを連続して開催し、地域の買い物客を大いに沸かせてきた実績があります。しかし2019年は4年ぶりに王座を譲る形となり、熱狂的なイベントを企画できませんでした。この影響は本拠地である広島県内にとどまらず、隣接する山口県などの周辺地域にも広く及んだとされています。
インターネット上のSNSでも、このニュースに対して多くのファンや買い物客が反応を示していました。「カープが優勝しないと、街の経済的な活気まで変わってしまうのか」といった驚きの声が目立ちます。地元のプロ野球チームの戦績が、これほどまでに流通大手の業績を左右するという事実は、まさに地域密着型ビジネスの強みであり、同時に難しさでもあるといえます。ファンにとっても、セールの有無は死活問題のようです。
さらに、政府が主導するキャッシュレス決済のポイント還元制度において、大手スーパーである同社が補助の対象外となった点も、2019年3月から2019年11月の既存店客数が1.6パーセント減少した要因に挙げられます。消費者がよりお得な還元を受けられる他店へ流れてしまった可能性は否定できません。国の方針によって、中小店舗との間で顧客の奪い合いが生じる構図は、非常に不条理な戦いであると感じざるを得ません。
プロ野球の勝敗という予測不可能な要素に頼るビジネスモデルは、エンターテインメントとしては魅力的ですが、企業の安定経営という観点ではリスクも伴います。これからの時代は、スポーツの感動を共有しつつも、増税や制度変更に左右されない独自の魅力作りが不可欠になるでしょう。イズミがこの逆風を跳ね返し、地域住民をワクワクさせる次の一手をどのように打ち出してくるのか、今後の経営手腕に期待が集まります。
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