【2018年度版】小売業界の勢力図が激変!?百貨店・スーパー・コンビニ・専門店売上高ランキング大公開

2019年6月26日に公表されました「第52回小売業調査」における2018年度の業態別売上高ランキングは、日本の消費の動向を鮮明に映し出しています。今回の調査結果を基に、激しい競争が繰り広げられる小売業界の現状を分かりやすく分析してまいります。各社がどのような戦略で消費者の心をつかみ、業績を伸ばしているのか、また、苦境に立たされている企業はどのような状況にあるのかを深く掘り下げてみましょう。

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百貨店の売上高動向:地域差が鮮明に

日本の小売業の象徴ともいえる百貨店ですが、2018年度の売上高を見ると、その動向にはっきりとした地域差が現れているのが特徴的です。主要な都市部に店舗を構える「都市百貨店」では、高島屋が9128億4800万円を売り上げ、前年度比0.6%増で首位を維持しました。また、4位の阪急阪神百貨店(4522億7300万円、1.2%増)や8位のジェイアール東海高島屋(1627億3400万円、4.5%増)など、健闘している企業も見られます。

一方で、2位の三越伊勢丹(6342億8000万円、2.2%減)や3位のそごう・西武(6152億5600万円、10.3%減)はマイナス成長となり、都市部であっても厳しい競争環境に直面していることがわかります。特にそごう・西武は二桁減と、既存店や地方店の閉鎖など構造改革の影響が大きく出たものと思われます。この結果から、単に都市部に出店しているだけでなく、インバウンド需要の取り込みや富裕層へのサービス強化など、独自の強みが求められていると言えるでしょう。

「地方百貨店」の売上高ランキングでは、残念ながら多くの企業が前年度割れという厳しい現実を突きつけられています。トップの岩田屋三越(1172億3000万円、0.5%減)をはじめ、2位の天満屋(1129億9400万円、2.6%減)など、上位10社のうち8社がマイナス成長です。地方百貨店は、人口減少や郊外型ショッピングセンターとの競争激化、さらにはインターネット通販の普及といった構造的な問題に直面しており、再生への道のりは困難を極めているのではないでしょうか。この状況に対し、SNSでは「やはり地方のデパートは厳しいんだな」「デパートのテナント化が進むのは必然か」といった、現状を危惧する声が多く見受けられました。

スーパーマーケット業界の二極化:健闘する地域密着型

スーパーマーケットの分野に目を移すと、こちらも競争が激化しています。「全国スーパー」部門では、イオンリテールが2兆1854億円で圧倒的なトップですが、前年度比0.6%減とわずかに売上を落としています。2位のイトーヨーカ堂も1兆2361億8000万円で0.6%減と、既存店のテコ入れが課題となっているようです。

そうした中で、4位のライフコーポレーション(6986億9300万円、3.1%増)や、9位の「業務スーパー」を展開する神戸物産(2671億7500万円、6.2%増)のように、着実に売上を伸ばしている企業も存在します。特に神戸物産の成長率は目覚ましく、低価格戦略と独自の仕入れルートが消費者に支持されている証拠だと考えられます。

注目すべきは、地域に根差した「地域スーパー」や「地方スーパー」の躍進です。「地域スーパー」では、ディスカウントストアのオーケーが3942億5100万円で10.2%増と、二桁成長を達成しました。また、3位のヤオコー(4350億8400万円、4.8%増)も堅調な伸びを見せています。これらのスーパーは、きめ細かな地域戦略や品揃え、独自の惣菜開発など、大型総合スーパー(GMS:General Merchandise Store)とは一線を画した戦略で、消費者の支持を集めていると言えるでしょう。

専門店とコンビニ:成長を牽引する専門性と利便性

小売業界全体の成長を牽引しているのが、特定の分野に特化した専門店やコンビニエンスストアの存在です。「専門店」部門では、ヤマダ電機が1兆6005億8300万円で首位ですが、それ以上に目覚ましいのは、衣料品からドラッグストアまで、幅広い業種での力強い成長です。ユニクロ(8647億7800万円、6.7%増)やビックカメラ(8440億2900万円、6.8%増)、ウエルシア薬局(7247億2500万円、8.8%増)といった各分野のリーディングカンパニーが軒並み高い成長率を示しています。特にドン・キホーテは、11.7%増の6660億5200万円と、その異彩を放つ店舗運営と商品構成が好調を維持しています。これらの専門店の好調は、消費者が求める「専門性」や「価格競争力」が、GMSや百貨店よりも優位に立っていることを示唆しています。

コンビニエンスストア(CVS)は、現代社会のインフラとも呼べる存在ですが、この分野でも上位3社の寡占状態が続いています。セブン-イレブン・ジャパンが8735億5500万円でトップを走り(2.8%増)、2位のローソンも7006億4700万円で6.6%増と好調です。CVS各社は、単なる商品の販売だけでなく、公共料金の支払い、銀行ATM、チケット発券、さらにはプライベートブランド商品の拡充など、「利便性」を極限まで高める戦略を展開しており、これが売上増に繋がっているのでしょう。

小売業界の未来:鍵は「体験」と「効率」

2018年度の売上高ランキングを全体的に見渡すと、専門性の高さ、低価格戦略、そして利便性の徹底追求が、企業成長の主要な要素となっていることが分かります。百貨店やGMSといった従来の大型小売業が苦戦を強いられる一方で、独自の強みを持つ専門店や、地域密着型スーパー、そしてCVSが着実に地盤を固めている状況です。今後は、リアル店舗での「購買体験」をいかに魅力的なものにするか、そしてIT技術を活用した「サプライチェーンの効率化」や「データに基づいたマーケティング」が、小売業界における競争の鍵を握ることになるでしょう。

私見として、これからの小売業には、単にモノを売るだけでなく、「その場へ行く価値」を提供することが不可欠だと考えます。例えば、百貨店は富裕層をターゲットにした特別なイベントや、地域を盛り上げるような独自の企画が、地方百貨店の復活の糸口になるかもしれません。また、スーパーマーケットは、新鮮な食材を使った料理教室や、健康に特化したプライベートブランドの開発など、地域の生活に深く入り込むサービスが、既存の顧客を維持し、新規顧客を獲得する上で重要になってくるでしょう。

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