2020年春闘の行方:基幹労連が示す賃金改善と「働き方」の新たな戦略

2020年2月4日、日本のものづくりを支える鉄鋼や造船などの産業で構成される「基幹労連」が、本年の春季労使交渉における統一要求方針を明らかにしました。今回の交渉で掲げられたのは、2020年度に3000円、そして21年度には3000円以上を基本とする賃金改善です。翌2月5日に都内で開催される中央委員会での正式決定を経て、2月7日には各組合から経営側へ要求書が提出される予定となっています。

記者会見の場で、神田健一委員長は米中貿易摩擦をはじめとする厳しい経済環境について言及しました。その上で、あえて賃金改善を求める意義を強調し、継続的な賃上げこそが好循環を生み出す鍵であると主張しています。今回の要求は2年分を基本とするスタイルを貫いていますが、急速に変化する情勢に合わせて単年度ごとの見直しも可能とする柔軟性を持たせているのが特徴です。

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「脱・統一」の動きの中で守る産業の結束

今回の春闘において興味深いのは、賃金の一律的な引き上げだけではなく、働き手一人ひとりの状況に合わせた環境整備や制度の充実に、より重点が置かれている点です。他産業では「妥結の柔軟性」を求める動きもあり、いわゆる「脱・統一」の気配も見え隠れしています。しかし神田委員長は、産業間の連鎖的な影響を危惧し、あくまで統一要求をベースとした交渉の重要性を強く説いています。

SNS上でも今回の要求方針に対して、働く世代からは様々な声が上がっています。「賃上げはもちろん重要だが、これからは個人の働きやすさや定年後のライフプランを重視してほしい」という意見が目立ちます。一方で、製造業の底上げを図るにはやはり統一した強い姿勢が必要だという支持の声も根強く、産業構造の過渡期における議論の深まりを感じさせます。

また、今回の交渉では「65歳までの定年延長」の早期実現も大きな柱です。年金支給開始年齢の引き上げを見据え、安心して長く働ける環境作りは喫緊の課題と言えるでしょう。鉄鋼業界では既に定年延長に向けた労使合意が形成されており、基幹労連側は、年度内には他の企業からも前向きな提案が引き出せるのではないかと期待を寄せています。

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