2020年1月22日現在、タイ国内がサッカー熱でかつてないほどの盛り上がりを見せています。東京五輪の予選を兼ねたU-23アジア選手権において、日本代表の元監督である西野朗氏が指揮するタイ代表が、悲願のベスト8入りを果たしたのです。これはタイサッカー界にとって歴史的な快進撃であり、たとえ最終的に五輪出場権は逃したとしても、その奮闘ぶりは開催国の国民を強く魅了しました。
街中では「応援消費」という言葉が飛び交い、関連商品の売り上げが爆発的に伸びています。特に代表チームにユニホームを提供するスポーツブランド「ワリックス」の店舗には、多くのファンが押し寄せました。約3600円という、現地のTシャツ相場からすれば決して安くない公式ユニホームが飛ぶように売れ、店舗によっては平常時の5倍もの売り上げを記録するほどの熱狂ぶりです。
経済効果は100億円規模に到達
この熱狂は単なる一過性のブームにとどまりません。専門機関である独コンサルティング会社ローランド・ベルガーの下村健一氏の試算によれば、今大会でタイにもたらされる経済効果は、数十億から最大で100億円に達する可能性があると指摘されています。強豪サウジアラビアと互角に渡り合ったことで、その期待値はさらに高まっているようです。
驚くべきは、監督自身の人気ぶりです。現地では西野氏の顔をあしらったオリジナルTシャツまで制作され、飛ぶように売れているといいます。私は、一人の指揮官がこれほどまでに異国の地で経済をも動かす力を持っていることに、スポーツが持つ計り知れないパワーを改めて実感せずにはいられません。日本人の名将が異国の地でこれほどまで敬愛される様子は、同じ日本人として誇らしい気持ちになります。
加速するタイサッカービジネスの未来
さらに、この「西野マジック」がもたらした波紋はビジネスの世界にも広がっています。スポーツ動画配信のグローバル企業であるDAZNグループが、タイリーグの独占放送権の獲得に名乗りを上げているという報道もあり、その提示額は現行契約の約2倍に達すると噂されています。これまで衛星放送が主流だったタイの放送権市場に、海外の巨額資金が流れ込もうとしているのです。
かつて1996年のアトランタ五輪で「マイアミの奇跡」を起こした西野監督の手腕が、今、タイという新たな舞台で花開いています。SNS上でもタイのファンからは「西野監督は最高の指導者だ」「チームが生まれ変わった」といった賛辞が絶えず投稿されており、その影響力はデジタルの世界でも衰える気配がありません。タイサッカーは今、大きな転換期を迎えていると言えるでしょう。
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