インド新車販売15カ月連続マイナス!経済減速がもたらす自動車市場への影響と今後の行方

アジア屈指の巨大市場として世界中から視線が集まるインドで、いま自動車産業が大きな試練を迎えています。インド自動車工業会(SIAM)が2020年2月10日に発表したデータによると、2020年1月の国内新車販売台数は33万8003台にとどまり、前年の同じ月と比べて8%も減少しました。これでなんと15カ月連続の前年割れとなり、市場の冷え込みが深刻化している様子が浮き彫りになっています。長引く低迷のニュースに、SNS上でも「かつての勢いはどこへ行ったのか」「購入のハードルが上がりすぎている」といった懸念の声が広がっている状況です。

今回の販売減少の内訳を詳しく見てみると、全体の約8割を占める主力の乗用車が6%減となり、物流を支えるトラックなどの商用車は14%も大きく落ち込みました。2019年10月から2019年12月にかけては、乗用車の減少率が1%未満にまで縮小し、一時は回復の兆しも見えていただけに、2020年1月に入って再びマイナス幅が拡大したショックは隠せません。購買意欲がなかなか上向かない背景には、車両価格の引き上げや保険料の高騰といった、自動車を所有・維持するためのコストである「保有経費」が上昇している問題が指摘されています。

さらに、この不況の根底にはインド全体の経済成長の減速という構造的な課題が存在します。ここでいう「実質経済成長率」とは、物価の変動による影響を取り除いて、国全体の経済がどれくらい拡大したかを測る指標のことです。インドではこの数値が2019年7月から2019年9月期まで6四半期連続で鈍化しており、2019年度(2019年4月〜2020年3月)の通期では5%台という、ここ11年間で最も低い水準に落ち込む見通しとなっています。生活の基盤となる個人消費の落ち込みが、そのまま新車買い控えに直結していると考えられます。

現地の自動車メーカー幹部らは、2020年中には販売が再び上向くだろうという前向きな予測を掲げています。しかし、消費者の財布の紐が固く結ばれた現状を鑑みると、市場が完全に息を吹き返すまでには、なおしばらくの時間を要するのではないでしょうか。インドが再び高成長の軌道に戻るためには、政府による積極的な消費刺激策や、自動車ローンの金利引き下げといった具体的な後押しが不可欠です。世界中が期待を寄せる巨大市場だからこそ、この苦境を乗り越えて再び活気を取り戻すドラマを、私たちは期待を込めて見守るべきでしょう。

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