大手タイヤメーカーの横浜ゴムが、2020年2月14日に注目の集まる最新の業績予想を開示しました。発表によると、2020年12月期の連結純利益は前の期に比べて9%減少した380億円になる見通しです。この数字だけを見ると業績が悪化したように感じられますが、実は前年に計上された大きな物流施設の土地売却益がなくなることが主な原因となっています。本業が不調に陥ったわけではないため、過度な心配は不要と言えるでしょう。
SNS上でもこのニュースはすぐに話題となり、「土地の売却益が消えるだけなら実質的には健闘しているのでは」「暖冬でスタッドレスタイヤが売れないのは痛い」といった冷静な分析や共感の声が相次いでいます。企業の本当の稼ぐ力を示す営業利益については、前期比7%減の545億円を想定しているとのことです。さらに売上高に目を向けると、1%微増の6600億円を見込んでおり、事業全体の規模はしっかりと維持される見通しとなっています。
北米市場と農機用が牽引する成長戦略と国内の暖冬リスク
今回の決算予想において、成長の牽引役となるのが北米市場です。現地では日系自動車メーカー向けのタイヤ販売が順調に拡大する見込みで、農業機械用タイヤの需要も引き続き高い水準を維持しています。ここで注目したい「国際会計基準(IFRS)」とは、世界共通の物差しで企業の財務を評価するために作られたグローバルな会計ルールのことです。この基準に則って算出された数字からも、同社の海外戦略が着実に実を結んでいる様子が伺えます。
その一方で、国内市場には大自然の厳しさが立ちはだかっています。記録的な暖冬の影響により、冬の主力製品であるスタッドレスタイヤなどの販売が大きく苦戦を強いられているようです。筆者の視点としては、気候変動リスクが企業の業績に与える影響が年々深刻化していると感じます。こうした天候リスクをいかにして海外事業の成長で相殺できるかが、今後の横浜ゴムの株価や評価を左右する重要な鍵を握るに違いありません。
同時に発表された2019年12月期の連結決算は、売上高がほぼ横ばいの6504億円、純利益が18%増の419億円と素晴らしい結果を残しました。これを受けて期末配当は従来の予定から2円増額されて33円となり、年間配当は前の期より2円多い64円へと嬉しい増配が決定しています。株主還元へ手厚く応える姿勢からは、企業の強い自信が感じられます。
しかし、今後の先行きには不透明な要素も残されています。記者会見に臨んだ松尾剛太取締役は、今回の2020年12月期の見通しに新型肺炎による世界的な経済への影響は織り込んでいないと明かしました。感染拡大がサプライチェーンや自動車生産に与える打撃は予測困難ですが、今後の動向を慎重に見守る必要があるでしょう。
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