私たちの生活をより豊かにしてくれる銀行ローンですが、申し込み時の煩雑な書類準備に頭を悩ませた経験を持つ方は少なくないはずです。そんな手続きの常識を覆す画期的な取り組みが、地方銀行の雄であるふくおかフィナンシャルグループと、IT大手のNECの手によって動き出しました。両社は2020年01月24日、マイナンバーカードを活用して融資審査を圧倒的に効率化させる実証実験を開始したと発表し、金融業界に大きな衝撃を与えています。
今回の実験の鍵を握るのが、国が運営する行政手続きの窓口「マイナポータル」と、外部のシステム同士を安全に繋ぐ「API」というIT技術の連携です。この仕組みを活用することで、銀行側はユーザーの同意を得た上で、行政機関が持つ所得データなどの個人情報をネット経由でダイレクトに取得できるようになります。つまり、これまでは私たちが自ら役所へ足を運び、発行手数料を支払って用意していた課税証明書などの書類が、一切不要になるという夢のようなシステムなのです。
このニュースに対し、SNS上では「面倒な書類集めから解放されるなら大歓迎」「これぞマイナンバーカードの正しい使い方」といった好意的な意見が相次いでいます。その一方で、大切なプライバシー情報を銀行に預けることへの不安の声も一部で見受けられました。しかし、セキュリティの専門家であるNECが開発を主導している点を考慮すると、暗号化などの安全対策は万全に期されていると考えられ、過度な心配は不要と言えるでしょう。
銀行側にとっても、この取り組みがもたらすメリットは計り知れません。提出された紙の書類を人が目視で確認し、厳重にファイリングして保管するという従来の膨大なアナログ業務が、デジタル化によって一瞬で効率化されるからです。コスト削減はもちろん、審査スピードが飛躍的に向上することは確実で、結果として私たち利用者へ、より低い金利や魅力的なサービスという形で還元される好循環が生まれることが期待できます。
編集部としては、この技術が地方銀行からスタートした点に極めて深い意義があると感じています。地域に密着した金融機関が最先端のデジタル技術を取り入れることで、地方のDX(デジタルトランスフォーメーション)は一気に加速するはずです。今回の実証実験はまだ銀行の内部検証という初期段階ですが、これが正式に実用化されれば、日本の金融インフラ全体のスタンダードが大きく塗り替わるターニングポイントになるに違いありません。
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