トランプ政権が2021年度予算教書を発表!5年で財政赤字半減とインフラ投資1兆ドルの楽観シナリオにSNSも騒然?

アメリカのトランプ政権は2020年2月10日、2021会計年度(2020年10月から2021年9月まで)の連邦予算の方針を示す「予算教書」を公表しました。今回の発表で最も注目を集めているのは、年1兆ドル(約110兆円)にものぼる巨大な財政赤字を、わずか5年で半減させるという大胆な提案です。11月に控えた大統領選挙を意識し、支持基盤である保守層の心をつかむための強力なアピールが盛り込まれた内容となっています。

予算教書とは、アメリカ大統領が連邦議会に対して提案する税制や財政の基本方針のことです。国のリーダーが描く「予算の設計図」のようなものですが、実はこれ自体に強制力はありません。アメリカでは予算を立案して決定する権限は上下両院の議会が握っているため、この教書はあくまで今後の議会審議における「たたき台」という位置づけになります。それでも、政権がどこに国のお金を使いたいのかを知る重要な指標です。

トランプ政権が議会に要求した2021年度の総歳出は、前年度比で0.8%増となる4兆8290億ドルです。特筆すべきは、世界の安定をにらんで国防費を7540億ドルへと5.7%も増額させた点でしょう。さらにメキシコ国境の壁建設に向けて、2021年度予算に20億ドルを計上するよう求めています。その一方で、低所得者向けの医療費といった社会保障費などの「義務的経費」を0.3%減額する方針を打ち出しました。

さらに目を引くのが、10年間で1兆ドルを投じるという巨額のインフラ投資計画です。高速道路や鉄道などの陸上輸送に8100億ドル、高速通信や水道の整備に1900億ドルを振り分けるとしています。トランプ氏は2016年の大統領選でも同じ公約を掲げたものの、政権1期目では実現に至りませんでした。そのため、今回の再提案はまさに悲願の政策であり、選挙戦に向けた強力なカードとして再び引き直された格好です。

ネット上やSNSでは、このあまりに野心的な計画に対して早くも多くの意見が飛び交っています。「インフラが奇麗になるのは大歓迎だ」「強いアメリカのために国防費増額を支持する」といった熱い期待の声があがる一方で、「公約の使い回しではないか」「社会保障が削られたら生活が立ち行かなくなる」といった不安や批判の声も目立ち、まさに世論を二分する盛り上がりを見せています。

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あまりに楽観的な経済予測!専門機関との温度差と今後の課題

トランプ政権は、今後の経済成長率を3%前後と見込むことで税収が増え、財政赤字が2020年度の1兆830億ドルから2021年度には9660億ドルへと11%減少すると試算しています。2025年度には赤字が5270億ドルにまで半減し、2035年度前後には黒字化するというバラ色の未来を描いているのです。しかし、この前提となる「年3%の経済成長」という数字は、あまりに楽観的すぎると専門家から指摘されています。

党派に対して中立的な立場から分析を行う米議会予算局(CBO)の予測を見ると、トランプ政権のシナリオがいかに強気かが分かります。CBOは2020年1月に、アメリカの今後の経済成長率を2%弱と分析しました。この基準で計算すると、財政赤字は5年後に1兆3000億ドルを超え、10年後には1兆7000億ドルに達する見込みです。政権の試算は、CBOより歳入を10年間で3兆ドルも多く見積もっています。

トランプ政権の発足からの3年間を振り返ると、実は歳出が20%も膨らみ、財政赤字は6000億ドル台から1兆ドル超へと急速に悪化しています。これは、国防費を増やしたい共和党と、社会福祉の手厚さを求める民主党の双方の要求を飲み続けた結果です。選挙を前にして民主党候補たちも社会保障の増額を主張しており、現政権がどれだけ予算教書で数字を飾ろうとも、実際の財政再建への道は険しいと言わざるを得ません。

メディアの視点として意見を述べるならば、この予算教書は財政の現実から目を背けた「選挙用の宣伝チラシ」という側面が強いと感じられます。成長率を高めに見積もる手法は政治の常套手段ですが、現実に即さない予算編成は将来の国民に大きな負担を回すことになりかねません。理想的な数字を並べるだけでなく、与野党が歩み寄って持続可能な財政計画を議論することこそが、今のアメリカに求められているでしょう。

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