投資の世界に今、とてつもなく巨大な地殻変動が起きようとしています。世界最大の資産運用会社であるアメリカのブラックロックが、今後の投資判断において地球温暖化対策をはじめとする「サステナビリティー(持続可能性)」を最優先に掲げると表明し、世界中で大きな話題を集めているのです。
すでに環境意識が高いヨーロッパの投資家たちから見れば、今回の発表は一見すると新鮮味に欠けるものかもしれません。しかし、保守的な傾向が根強かったアメリカの金融界においては、これまでの常識を覆す歴史的で大きな一歩であると言えるでしょう。
SNS上でもこのニュースは瞬く間に拡散されており、「ついにウォール街の巨人が動いた」「これからの投資はクリーンでなければ生き残れない」といった、驚きと期待が入り混じった好意的なコメントが数多く寄せられています。
インデックス運用の巨人が挑む、持続可能な未来へのアプローチ ここで注目すべきは、ブラックロックの主な武器が「パッシブ投資」であるという点です。これは市場全体の動きを示す指数(インデックス)に連動させて、機械的に幅広い株式を丸ごと買い付ける運用手法を指します。 そのため、市場に深く組み込まれている化石燃料関連の銘柄だけを、彼らの独断で一気にすべて切り離すことはシステム上とても困難です。しかし、彼らは「難しいから諦める」のではなく、「できることから着実に変えていこう」という強い決意を示しました。 もちろん、ブラックロックが顧客である投資家たちに対して、特定の金融商品を強制的に選ばせるような権限はありません。それでも、彼らが提案する基本の投資セットの中に環境配慮型の選択肢を滑り込ませることで、自然な形で巨額の資金を導くことが可能です。 特に彼らが手掛ける年金関連事業は、なんと総額1兆ドル(約110兆円)という天文学的な規模に達しています。アメリカなどでは年金運用に環境要素を組み込むことへの法的な壁がありますが、この巨人が本腰を入れたことで、その壁をも突き崩すはずです。 化石燃料からの撤退が加速!問われる金融大手の存在意義
この動きにいち早く反応したのが、地球環境を守るために活動する世界のNGOや市民団体たちです。グリーンピースをはじめとする有力な環境団体が手を取り合い、環境破壊につながる化石燃料企業へ流れるお金を根元から止めようとする大運動をスタートさせました。
環境団体のリーダーたちは、今回の宣言が他の金融機関に対する「化石燃料からの投資撤退(ダイベストメント)」を促す強力な号砲になると確信しています。投資を引き揚げるこの動きが定着すれば、環境対策を怠る企業は市場から淘汰されることになるでしょう。
ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)が、明確に環境重視の姿勢へと舵を切った2020年01月17日現在、ウォール街の他のライバルたち、特に環境への投資を続ける金融大手への風当たりはこれまで以上に強まることが予想されます。
筆者は、今回のブラックロックの宣言を単なるポーズではなく、資本主義のルールそのものを変える決定的な大転換点であると考えています。これからの時代、地球を傷つけて稼ぐビジネスは、投資家からも社会からも見放されていくに違いありません。
コメント