広島県に本社を構える老舗食品メーカーの福留ハムが、この度、思い切ったブランドイメージの刷新に乗り出しました。長引く消費者の節約志向や、食品業界における大手の価格競争が激化する中で販売が落ち込み、同社の2019年3月期の連結売上高は前期比1%減の257億円、さらに営業損益が1億円超の赤字に転落するという厳しい状況に直面しているためです。この現状を打破し、売り場での存在感を高めるための起死回生の一手として、同社は新たな挑戦を始めました。
今回のブランド刷新の象徴となるのが、新しいブランドロゴ「昴(すばる)」です。「昴」という言葉には「輝く」や「未来に向かう」といった前向きで力強い意味が込められています。福留ハムは、この新しいブランドを旗印に、ハムやウインナーをはじめとする消費者向けの全170品目のパッケージに、この「昴」のロゴを順次あしらっていく計画です。これは、単なるデザインの変更に留まらず、同社が未来への新たな一歩を踏み出すという強い決意の表れと言えるでしょう。
実はこの新ブランドへの切り替えは、2018年11月より段階的に進められており、2019年6月28日現在で、すでに約60品目で新しいロゴに切り替わっています。福留ハムでは、旧来の社名ロゴ「福留ハム」に代わり、「昴」を全面的に押し出すことで、消費者に新鮮な印象を与え、商品の魅力向上を図る方針です。また、テレビCMやチラシといった販促活動でも新ブランドを前面に打ち出し、消費者への浸透を強力に推し進めていく見込みです。
ブランド刷新に懸ける想いと消費者の期待
これまで同社は、社名と同じ「福留ハム」のロゴを包装に使用してきましたが、競合他社との厳しい競争環境の中で、商品が埋没しがちになっていました。食肉加工品、特にハムやソーセージといった分野は、食卓に欠かせない商品であると同時に、価格帯やブランドの選択肢が多岐にわたるため、消費者の注目を集めることが非常に重要です。今回の「昴」ブランドの導入は、その名前の通り、星のように輝き、消費者の記憶に強く残るブランドを目指す同社の強い意志の現れでしょう。
SNS上でも、この福留ハムのブランド刷新のニュースに対しては、「老舗の挑戦は応援したい」「昴という名前がかっこいい」「パッケージがどう変わるか楽しみ」といった好意的な反響が見受けられます。長年親しまれてきた企業が、変化を恐れずに新しい一歩を踏み出す姿勢は、多くの人に勇気と期待を与えるものです。もちろん、ブランドを刷新するだけでは販売回復は難しいですが、この新しいロゴをきっかけに、商品自体の品質や新たなプロモーションにも力を入れ、「昴」が本当に輝くブランドとなることを期待します。
ブランドイメージの刷新、特に老舗企業のブランドリニューアルは、過去の伝統を守りつつ、未来の消費者を取り込むための重要な経営戦略の一つです。福留ハムが「昴」ブランドによって、いかに売り場での存在感を高め、大手との競争に打ち勝っていくのか、その動向に注目が集まります。業務用商品には新ロゴを使用しないという点は、消費者向けと業務用という異なる市場でのブランド戦略を明確に分けている点も興味深いと言えるでしょう。福留ハムの再出発、その「昴」が、暗い夜空に力強く輝くことを願っています。
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