宮崎県にお住まいの太陽光発電ユーザーにとって、見逃せないニュースが飛び込んできました。宮崎市に拠点を置く新電力の「宮崎電力」が、一般家庭で発電された余剰電力を買い取る新サービスを2019年08月から開始すると発表したのです。今回の施策は、再生可能エネルギーの普及を目的とした国の制度である「FIT(固定価格買い取り制度)」が期限を迎える世帯を対象としています。
そもそもFITとは、家庭で作った電気を一定期間、高い価格で電力会社が買い取ることを国が保証する仕組みのことです。2009年11月にスタートしたこの制度ですが、10年間の優遇期間が終了する「卒FIT」という大きな節目が2019年11月から順次やってきます。期間終了後は、これまでのような高値での売電ができなくなるため、多くの家庭が次なる選択肢を模索している状況にあります。
こうした背景を受け、宮崎電力が提示した買い取り価格は1キロワット時あたり10円(税込)という非常に魅力的な設定になりました。これは大手である九州電力が予定している価格よりも3円高く、地域密着型の新電力としての意地と強みが感じられます。SNS上でも「地元企業が頑張ってくれるのは嬉しい」「3円の差は月々に直すと大きい」といった期待の声が数多く寄せられています。
宮崎県内には現在、太陽光発電を利用している世帯が約4万件存在していると言われています。宮崎電力の小野晋太郎社長は、2020年03月末までに買い取り期限を迎える約1万3000世帯のうち、まずは1パーセント程度の契約獲得を目指すと意気込みを語りました。電力の安定調達を狙いつつ、地域住民に寄り添ったサービスを展開することで、新たな顧客層の開拓を狙っているのでしょう。
蓄電池導入で加速する「電気の自給自足」と災害対策
売電価格の低下に伴い、注目を集めているのが「蓄電池」の活用です。宮崎電力では買い取りサービスと並行して、新たに蓄電池の購入プランも提案しています。これまでは余った電気を売ることが主流でしたが、これからは昼間に発電した電気を貯めておき、自分たちの生活で消費する「自家消費」へのシフトが加速すると予測されるでしょう。
導入には約200万円という決して安くない初期投資が必要となりますが、電力会社から購入する電気を大幅に減らせるメリットは計り知れません。また、近年多発している自然災害への備えとしても、停電時に電気が使える安心感は大きな価値を持つはずです。編集部の視点としても、単なる売電先の変更に留まらず、長期的なエネルギー自給を検討する絶好の機会になると考えています。
今回の宮崎電力による挑戦は、地域エネルギーの循環を促進する素晴らしい一歩ではないでしょうか。大手電力会社に頼り切りになるのではなく、地元の企業が競争力を高めることで、最終的に消費者が恩恵を受けられる形は理想的です。今後、宮崎県内だけでなく全国でこうした動きが活発化することで、私たちの生活とエネルギーの関係がより密接で豊かなものに変化していくに違いありません。
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