保育無償化の光と影!2019年参院選で問われる「待機児童ゼロ」への本気度と保育士争奪戦の行方

2019年7月11日、日本列島が参議院議員選挙の熱気に包まれる中、子育て世代が最も注目している政策の一つが「待機児童の解消」です。安倍政権が掲げる消費増税に伴い、2019年10月からは幼児教育・保育の無償化がいよいよスタートします。家計の負担が軽くなるというバラ色の未来が語られる一方で、現場からは「保育の質」や「受け皿不足」を懸念する切実な声が上がっているのはご存じでしょうか。

無償化という強力な呼び水によって、これまで預けるのを諦めていた家庭のニーズが一気に顕在化し、かえって待機児童が増えてしまうのではないかという予測が広がっています。SNS上でも「お金がタダになっても、預け先がなければ意味がない」「保育士さんの給料をもっと上げることが先決ではないか」といった鋭い指摘が相次いでおり、政府の掲げる理想と、保育現場の厳しい現実との乖離が浮き彫りになっています。

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無償化の先行事例が示す「需要爆発」の衝撃

先行して無償化に舵を切った自治体の事例は、今後の日本を占う重要なヒントを与えてくれます。かつて家電大手の三洋電機が拠点を構えていた大阪府守口市では、人口流出に歯止めをかけるべく、2017年4月から独自の無償化に踏み切りました。その結果、子育て世代の転入が増え、親世代の人口が増加するという鮮やかな成果を収めています。家計が助かったと喜ぶ親御さんの声は、この政策の大きな意義を物語っています。

しかし、光があれば必ず影もあります。守口市では無償化の開始と同時に、皮肉にも待機児童の数が急増してしまいました。市は必死の努力で受け皿を広げ、2019年には待機児童ゼロを達成しましたが、これは並大抵の努力ではありません。神奈川県鎌倉市でも同様に、第2子以降の無償化を実施したところ、入所希望者が急増し、施設を増設しても追いつかないほどの「保活」の激化に直面しているのが2019年4月現在の実情です。

「保育士争奪戦」に翻弄される自治体と現場の悲鳴

受け皿となる保育施設を作ろうにも、最大の壁となっているのが深刻な「保育士不足」です。現在、自治体間では優秀な人材を確保するための「保育士争奪戦」が過熱しています。東京都世田谷区では、月額8万2000円もの家賃補助を出すなど破格の待遇を提示していますが、担当者は「どこの自治体も似たような策を打ち出しており、もはや体力勝負の消耗戦だ」と、その苦境を吐露しています。

また、相模原市では「潜在保育士」の復職支援に力を注いでいます。潜在保育士とは、保育士資格を持ちながらも、賃金の低さや労働環境の厳しさを理由に現場を離れている方々のことです。市は再就職の準備金として最大20万円を貸し出し、2年以上勤務すれば返済を免除する制度を設けていますが、賃金水準の高い大都市に人材が流れてしまう現状に、地方自治体は頭を悩ませるばかりでしょう。

持続可能な子育て支援に向けた「次の一手」とは

専門家は、このままでは財源の豊かな自治体にばかり保育士が集まり、地域間格差が広がることを危惧しています。単に給与を上乗せするだけでなく、短時間勤務の導入など、多様なライフスタイルに合わせた柔軟な働き方ができる環境整備が急務です。また、地域の高齢者を「保育支援員」として活用し、専門職である保育士をサポートする体制づくりも、現場の負担を減らす鍵となるに違いありません。

私は、今回の無償化が単なる選挙向けのパフォーマンスに終わるのか、それとも日本の子育て環境を抜本的に変える一歩になるのかは、この「保育士の処遇改善」への本気度にかかっていると考えています。2019年10月の開始に向けて、私たちは表面的な「無料」という言葉に惑わされることなく、大切な子供たちの命を預かる現場が疲弊していないか、常に厳しい目で見守り続ける必要があるでしょう。

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