【JR北海道】2億円の独自支援で再起へ!利便性向上に挑む北の大地と、揺れるJR四国の現在地

2019年7月12日、北海道の鉄路に新しい光が差し込む決定が下されました。経営難に直面しているJR北海道を支えるため、北海道議会は赤字8区間を対象とした2億円の支援を含む補正予算案を可決したのです。これは鉄道の運行そのものに資金を出す従来の形とは一線を画す、非常に珍しい取り組みとして全国から注目を集めています。

今回の支援策では、北海道と沿線の40以上の市町村が7対3の割合で費用を分担します。具体的には道が1億4000万円、各自治体が合計で6000万円を拠出する計算です。SNS上では「駅にWi-Fiが入るのは助かる」「観光列車が増えれば乗りに行きたい」といった期待の声が上がる一方で、「この金額で抜本的な解決になるのか」という厳しい意見も見受けられます。

ここで注目すべきは、資金の使い道が「鉄道の利便性向上」に特化している点でしょう。一般的に赤字路線の支援といえば、線路などの設備を自治体が保有し、運行を鉄道会社が行う「上下分離方式」が知られています。しかし今回は、観光列車の車両整備や駅の通信環境の整備など、利用者が直接メリットを感じるソフト面への投資が中心となっているのです。

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JR四国も直面する「三島会社」の厳しい現実と2020年度の壁

北海道がこうした独自の支援に乗り出した背景には、2021年3月31日に期限を迎える国の財政支援法の存在があります。国が支援を継続するための条件として、地元自治体が一体となって鉄道利用を促進する姿勢を求めているのです。この状況を自分たちのこととして見つめているのが、同じく経営課題を抱える四国4県の自治体とJR四国に他なりません。

JR北海道やJR四国、そしてJR九州は、国鉄民営化の際に「三島(さんしま)会社」と呼ばれ、経営基盤が弱いことが当初から懸念されていました。そのため、あらかじめ「経営安定基金」という基金が用意され、その運用益で赤字を補填する仕組みが作られたのです。ところが、近年の低金利政策によって想定していた運用益が得られず、各社の経営を圧迫しています。

JR四国の現状も深刻で、2013年度から2017年度までの5年間の平均収支を見ると、全18区間のうち17区間が赤字という状況です。唯一の黒字を維持している本四備讃線、いわゆる瀬戸大橋線も、1988年4月10日の開通から30年以上が経過しました。今後は設備の老朽化に伴う維持費の増大により、赤字に転落する可能性も否定できないとされています。

地域の足を守るために今、私たちが考えるべきこと

JR四国の半井真司社長は、自社単独での路線維持は困難であるとの認識を強く示しています。これに対し、四国の各県知事は慎重な姿勢を崩していません。高知県の尾崎正直知事は、県民の理解を得るための議論がまだ不足していると述べており、香川県の浜田恵造知事も、まずは国が果たすべき役割を明確にする必要があると主張されているようです。

私は編集者として、鉄道は単なる移動手段ではなく、その地域の文化や経済を支える「公共財」であると考えています。人口減少が進む中で、数字上の効率性だけで路線を廃止してしまえば、地域そのものの活力が失われかねません。北海道の鈴木直道知事が語るように、同じ悩みを持つ四国など他地域と連携し、国に強く働きかけていくことが不可欠でしょう。

2020年度末というタイムリミットが迫る中、2019年7月17日現在のこの動きは、日本の地方鉄道の未来を占う試金石となるはずです。鉄道会社任せにするのではなく、行政と住民が手を取り合って「自分たちの鉄道」をどう育てるかが問われています。Wi-Fiの設置や観光車両の導入が、反転攻勢のきっかけになることを願ってやみません。

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