世界中の美意識が加速する中、化粧品業界の勢力図が大きく塗り替えられました。英調査会社のユーロモニターインターナショナルが発表したデータによると、2018年の世界化粧品市場は3428億ドルという驚異的な規模に達しています。この巨大市場において、長らく王座に君臨する仏ロレアルグループが13.5%のシェアを獲得し、依然として他を寄せ付けない強さを見せつけている状況です。
今回の調査で最も注目を集めているのが、米エスティローダーの躍進でしょう。前年の4位から一気に2位へと浮上し、シェアを5.1%まで伸ばしました。SNS上では「憧れのデパコスブランドが勢いづいていて嬉しい」「アジアでの人気が数字に出ている」といった驚きと納得の声が溢れています。これまで上位にいた英蘭ユニリーバや米P&Gを追い抜く形となり、業界内には大きな衝撃が走りました。
化粧品全体では前年比5.9%増と堅調な伸びを見せていますが、中でも牽引役となっているのが「スキンケア」部門です。いわゆる「肌の土台作り」を重視するトレンドが強まり、化粧水や乳液などの販売額は7.5%増という高い成長率を記録しました。美しさの基準が、単なるメイクアップによる装飾から、素肌そのものの健康や輝きを求める方向へとシフトしている様子が、この数字からもはっきりと見て取れるはずです。
高級路線の成功とアジア市場の爆発的な購買力
エスティローダーが劇的な成長を遂げた背景には、高価格帯商品の戦略的な展開があります。同社が展開する高級ブランド「ラ・メール」や、社名を冠した「エスティローダー」のスキンケア商品が、中国をはじめとするアジア圏で爆発的な支持を得ました。売上高は前年比15.7%増という驚異的な数字を叩き出しており、プレミアムな体験を求める消費者のニーズを完璧に捉えたことが勝因といえるでしょう。
対する王者ロレアルも、2018年は「過去10年で最高の成長」を実感する実り多き年となりました。地域別では中国を含む北アジア地域が前年比24.1%増と突出しており、アジア市場がもはや世界の中心であることを象徴しています。私は、この「アジア・シフト」こそが今後の化粧品ビジネスの成否を分ける決定的な要因になると確信しています。各社がこの巨大な需要をどう取り込むかが、次なる焦点となるはずです。
業界内ではブランドの買収や売却といった「事業ポートフォリオ」の再編も加速しています。事業ポートフォリオとは、企業が持つ事業の組み合わせを指しますが、エスティローダーは人気ブランドを積極的に買収して商品群を拡大しました。一方でP&Gは、利益率の高い「SK-II」などの高価格帯ブランドに注力するため、多くのブランドを米コティへ売却しています。この戦略の選択と集中が、各社の順位に直接影響を与えました。
日本勢の逆襲!資生堂が過去最高の売上高を更新
世界シェアのトップ5には届かなかったものの、日本企業も決して引けを取っていません。特に資生堂は、2018年12月期の売上高が1兆948億円に達し、過去最高を更新するという輝かしい成果を上げました。「メイド・イン・ジャパン」の品質に対する信頼は、アジアの消費者を中心に根強く、これが強力な追い風となっています。日本の繊細な技術力とブランディングが、世界基準で高く評価されている証拠と言えるでしょう。
SNSでは、日本のコスメが海外で評価されることに対し「日本の技術が認められるのは誇らしい」「インバウンド需要だけでなく、現地での人気もすごい」といったポジティブな反応が目立ちます。世界的な再編の波が押し寄せる中、各社は自らの強みをどこに置くかを厳しく問われています。今後、日本勢が世界の巨大資本を相手に、どのようにシェアを奪い返していくのか、その戦いから目が離せそうにありません。
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