2019年7月27日現在、いよいよ来年に迫った2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、街全体が活気に満ちあふれています。そんな祝祭ムードをさらに盛り上げるべく、東京都と東京都歴史文化財団が、非常に興味深いプロジェクトを立ち上げました。それは、東京に住む高齢者の皆さんの豊かな人生経験を舞台芸術へと昇華させる試みです。
今回募集が始まったのは、2020年春の公演を目指す「ツアー型演劇」の創作に向けたワークショップです。ここでいうツアー型演劇とは、一般的な劇場の中だけで完結する芝居ではありません。観客がキャストと一緒に街を歩き、特定の場所や風景を舞台として活用しながら物語を体験していく、非常に没入感の高い上演スタイルのことを指しています。
あなたの人生が物語になる!世界的な演出家と創る唯一無二の舞台
このプロジェクトの最大の魅力は、アルゼンチン出身の鬼才、マルコ・カナーレ氏が演出を手掛ける点にあります。彼はこれまでもドイツなどで、現地の高齢者たちの証言にフィクションを織り交ぜた独創的な作品を発表してきました。今回のワークショップでも、参加者の皆さんが語る東京の歴史や個人的な思い出が、台本の核となる重要なパーツとして組み込まれる予定です。
ワークショップは2019年9月14日と2019年9月17日の2日間にわたり、午前と午後の計4回開催される計画となっています。対象となるのは65歳以上の都内在住者で、各回15名という少人数制で行われます。参加者は自身の経験を語り合うだけでなく、簡単な演技の練習も体験できるため、新しい趣味を見つけたい方にとっても絶好の機会となるでしょう。
SNS上では、この斬新な取り組みに対して早くも期待の声が寄せられています。「自分の祖父母が歩んできた歴史が舞台になるなんて素敵すぎる」「劇場を飛び出す演劇なら、普段はお芝居を観ない人でも楽しめそう」といった、世代を超えた関心が集まっているようです。単なる公的なイベントの枠を超え、市民が主役となる文化運動としての広がりを感じさせます。
編集部が注目する「生きた歴史」を次世代へ繋ぐ意義
筆者は、このプロジェクトが単なる高齢者向けのレクリエーションに留まらない、深い社会的意義を持っていると確信しています。激動の時代を生き抜いてきた方々の言葉には、教科書には載っていない「生きた東京の姿」が刻まれているからです。それらを演劇という形で表現することは、地域の記憶を次世代へ継承する素晴らしい装置になるはずです。
また、ワークショップの様子や作品が出来上がっていく過程は、ドキュメンタリー映像として記録されることも決まっています。舞台の本番に出演するチャンスもあるとのことで、まさに一生モノの思い出作りになるのではないでしょうか。2019年の秋、あなたの人生という物語に、新しい、そして特別な1ページを書き加えてみることを心からお勧めいたします。
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