フェイスブックの「リブラ」が招く金融危機の足音?デジタル通貨と世界バブルの危険な関係

2019年07月31日、米国のソーシャルメディア大手であるフェイスブックが提唱するデジタル通貨「リブラ」に対し、金融界から警鐘を鳴らす声が一段と強まっています。リブラは、スマートフォン一つで世界中どこへでも瞬時にお金を送れる利便性を掲げていますが、その裏側には既存の金融システムを根底から揺るがしかねない大きなリスクが潜んでいるのです。特に国際的な資本移動が過剰に加速し、国境を越えた大規模な投機が助長されるのではないかという懸念が、専門家の間で現実味を帯びています。

こうした状況について、SNS上では「送金手数料が安くなるのは大歓迎だ」と期待する声が上がる一方で、「一企業の通貨が国の経済を壊すのは怖い」「ビットコイン以上の混乱を招くのではないか」といった不安の声も目立ちます。リブラは、特定の資産と価値を連動させる「ステーブルコイン」という仕組みを採用し、価格の安定を図るとしていますが、その普及スピードがあまりに速すぎる場合、世界的な資産価格のバブルを人為的に膨らませ、崩壊を加速させる引き金になりかねないとの指摘も少なくありません。

ここで言う「投機」とは、資産の本来の価値に関わらず、短期間の価格変動から利益を得ようとする売買行動を指します。リブラによって資金の移動が極めて容易になれば、この投機資金が世界中を高速で駆け巡り、特定の国の経済を翻弄するでしょう。現在、各国政府に求められているのは、資金移動をただ闇雲にスムーズにすることではなく、むしろ無秩序な資本の暴走を食い止めるための「資本規制」の強化ではないでしょうか。金融の安定を維持するには、ある程度の「ブレーキ」が必要不可欠なのです。

編集者としての私の視点では、テクノロジーの進化がもたらす利便性は否定しませんが、通貨の発行という国家の根幹に関わる権能を民間企業が握ることの危うさを感じずにはいられません。かつて歴史が証明してきたように、行き過ぎた自由化は往々にして制御不能なバブルとその崩壊を招いてきました。2019年07月31日現在の情勢を見る限り、リブラが真に「人々のための通貨」となるためには、利便性以上に、世界の金融秩序を守るための厳格な枠組み作りが最優先課題であると考えられます。

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