2021年春に卒業予定の大学3年生を対象としたインターンシップ、すなわち「就業体験」の募集が本格化し、実質的な就職活動がスタートいたしました。企業側は、優秀な学生をいち早く自社に引きつける狙いから、インターン参加者を優遇する「採用直結型」のプランを次々と打ち出している状況です。これにより、就職活動の開始時期がさらに前倒しされる傾向が鮮明になっています。
就職活動の情報収集に熱心な学生の姿も目立ち始めています。たとえば上智大学の女子学生は「夏休み中に多様な業界のインターンに参加したい」と意欲的で、現在就活中の4年生からのアドバイスを得て、積極的に情報収集に取り組んでいるとのことです。就職サイトを運営するワンキャリアが2019年6月1日に開催した3年生向けの合同企業説明会には、昨年より約3割多い3,150人もの学生が参加しました。この活況ぶりは、学生側の意識の高さと危機感の表れと言えるでしょう。
また、就活情報を提供する「マイナビ」は、例年6月1日に公開していたインターンの情報サイトを、今年は4月に前倒しで立ち上げています。これは「早く情報を得たい」という学生の強いニーズに応えた結果であり、主要な就職サイトにおける2019年6月1日時点での情報掲載社数は延べ約1万7,000件にのぼり、昨年と比べて5%増加している状況です。
👀インターンが選考の主戦場へ!採用直結の動きと企業の狙い
注目すべきは、2020年卒を最後に、長く日本の新卒採用の枠組みを定めてきた経団連の「就活ルール」(大学3年生の3月に会社説明会、4年生の6月に面接などの選考解禁)が廃止され、2021年卒からは政府主導に切り替わった点です。政府はインターンと選考の直結を避けるよう企業に要請し、選考解禁の日程自体は当面踏襲される見通しですが、企業側は水面下で採用活動を活発化させているのです。
2021年卒の採用活動で特に際立っているのが「採用直結型」のインターンです。例えばサイバーエージェントは、2021年卒から営業や企画部門などの総合職採用において、インターンを本格的に選考プロセスに組み込みました。3回の面接を通過した学生を対象に1~3日間のインターンを実施し、社員とともに実務に触れてもらう機会を提供しています。同社は「数十分の面接では把握できない学生の本質的な能力や適性を見極めることができ、採用後のミスマッチによる早期離職を防ぐ効果がある」と大きな期待を寄せています。実際、2019年春に入社した社員のうちインターン経由は4割でしたが、2021年春からは全員がインターン経験者となる予定です。
また、楽天は総合職を対象とした長期インターンを今年初めて導入します。2019年9月中旬から3カ月間にわたり、週2回オフィスで社員とともに営業、新規企画の立案、データ分析などの業務を体験してもらう計画です。応募は7月中旬まで受け付け、インターン参加者には、通常は選考前に課されるウェブテストを免除するなどの優遇措置を検討しているとのことです。リクルートキャリアが企業を対象に行った調査によると、2019年卒の採用活動において、採用を目的としてインターンを実施したと答えた企業は26%に上っています。
💡水面下の選考が加速!日系企業にも広がる早期化の波
採用直結型インターンは、IT企業や外資系企業、ベンチャー企業を中心に増えていましたが、この動きは日系の大手企業にも広がりを見せると考えられます。採用コンサルタントの谷出正直氏は「インターン参加者に対してのみ、水面下で早めに選考を案内するといった活動が日系企業にも波及するだろう」との見解を示しています。企業はルールを遵守しつつも、優秀な人材確保のために実質的な選考を前倒しする工夫を凝らしていると推測されます。
この流れは、就職活動の早期化をさらに加速させるでしょう。従来の「3年生から情報収集」という常識はもはや通用しないかもしれません。企業は学生の囲い込みを低学年から始めており、例えば富士通は、2019年7月1日に募集を始める予定で、大学1・2年生を対象としたインターンを初めて開催するとしています。このインターンでは3日間をかけ、デジタル技術や**人工知能(AI)**が社会に与える影響など、最新の技術動向について学ぶプログラムが用意されています。
私自身の見解としては、企業側が学生のスキルや適性を深く見極めるためにインターンを活用する動きは、短期的な面接だけで判断するよりも、入社後のミスマッチを防ぐ上で非常に合理的だと考えられます。しかし、その一方で、低学年からの早期囲い込みが加熱することで、学生が学業やサークル活動などに専念する時間を削られ、本当に自分が何をしたいのかを熟考する機会が失われてしまうのではないかという懸念もございます。学生の皆様におかれましては、ぜひこの新しい就活の波を的確に捉え、インターンを単なる「採用への近道」と捉えるだけでなく、自己成長とキャリアの適性を深く探るための貴重な機会として活用してほしいと願っております。
SNS上でも、「インターンがないと選考に進めない企業が増えて怖い」「もう3年になったから焦る」といった不安や焦りの声が数多く見受けられます。一方で、「早期に自分の適職を知るチャンス」とポジティブに捉え、夏休みの予定を埋めようと精力的に動いている学生も多く、このインターンを巡る議論は今後さらに活発になるでしょう。
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