📚【大阪発】読書体験が変わる!個性派「まちライブラリー」が創る新しいコミュニティのカタチ:集客・交流拠点としての可能性

大阪府内で、従来の公共図書館とは一線を画す、ユニークなスタイルの私設図書館が続々と誕生し、地域コミュニティの新しい拠点として注目を集めています。その代表格ともいえるのが、小型の私設図書館ネットワーク**「まちライブラリー」です。2019年6月1日時点で、大阪府内の登録数は150カ所を突破し、全国でも最多の152カ所を数えています。これは、兵庫県の89カ所、東京都の61カ所を大きく上回る数字で、大阪がこの新しい読書文化の波を牽引しているといえるでしょう。

「まちライブラリー」は、読者が「おすすめの本を感想付きで寄託」し、その本を通じて交流のきっかけを生み出すというコンセプトの私設図書館です。単なる本の貸し借りではなく、人から人へと思いが詰まった本が渡り、それが会話やコミュニティへと発展していく点が最大の魅力だと考えられます。一般社団法人まちライブラリーが2011年に活動を開始して以来、2019年3月末までに全国で611カ所にまで広がりを見せている状況です。

大阪における「まちライブラリー」の広がりを象徴するのが、複合施設への併設モデルです。たとえば、東急不動産が2015年4月に大阪市中央区で開業した「もりのみやキューズモールBASE」内に設置されたライブラリーは、その成功例として知られています。ここでは、会員が寄贈した本が1万6000冊も並び、会員数は5000人を超えました。2019年3月末までに累計58万人がこのライブラリーを訪れており、ショッピングモールの集客に大きく貢献していることが伺えます。このように、書籍を介した交流スペースが商業施設に賑わいをもたらす事例は、不動産事業者や地方自治体の関心を集め、全国的なモデルとして波及しています。

さらに、その設置場所の多様性にも目を見張るものがあります。大阪市北区の北新地にあるキッチンバー「パパ ヘミングウェイ」では、2017年秋に「まちライブラリー」に登録されました。ここでは、お客様はソファでくつろぎながら、お酒を嗜みつつ約300冊の蔵書から選んだ本を読むことができるのです。同店の運営責任者である西沢秀泰さんは、今後は昼間の休息スペースとしての利用や朗読会など、新しい展開を構想していると話していました。このように、飲食店という日常の場に読書と交流の機会が融合することで、利用者は特別な意識を持たずに文化的な体験を享受できることでしょう。

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📚 私設図書館の多様な広がりと自治体の新たな動き

「まちライブラリー」のネットワークは、商業施設や飲食店に留まらず、多様な場所で展開されています。ネスレ日本は、2019年3月にららぽーと甲子園(兵庫県西宮市)に、地域コミュニティ育成を目指すカフェとして「まちライブラリー」を兼ねた店舗を開設し、全国展開を視野に入れています。また、関電不動産開発(大阪市)は、大阪府吹田市で建設する分譲マンションにライブラリーを設け、入居者や地域住民の交流の場にする計画を進めています。自治体もこの動きに同調しており、大阪狭山市では2019年1月にオープンした子育て支援拠点に、東大阪市も同年9月に開館する文化創造館にそれぞれ設置される予定で、これらは地域の交流拠点としての役割を担うことになります。

この取り組みは個人にも広がっており、富田林市の小学生が自宅前に木箱でライブラリーを自作したり、泉大津市の主婦グループがネットワークを結成したりするなど、ボトムアップでの広がりも見られます。絵本、韓国、発達障害、手塚治虫など、テーマを絞った専門的なライブラリーが生まれている点も、個性が際立つ大阪の特性といえるでしょう。一般社団法人まちライブラリーの礒井純充代表理事は、「まちライブラリー」以外を含めると全国に2000〜3000もの私設図書館があると推計し、「社会的に居場所づくりが求められる中で私設図書館が注目され、大阪が先頭を切っている」との見解を示しています。

また、自治体による図書館施設のあり方も進化しています。大阪市は、北区で「こども本の森 中之島」の整備を進めており、2020年3月に開館が予定されています。大阪市文化課の福田恵担当係長が「図書館ではありません」と語るように、この施設は本の貸し出しを目的とするのではなく、子どもたちが本と自由に出会い、創造力を育むための場所と位置づけられています。建築家の安藤忠雄氏が設計・寄付した建物で、蔵書2万5000冊のうち約1万冊が府民らからの寄贈によるものです。運営費も法人や個人からの寄付金が充当され、2019年3月までに5億4000万円が集まるなど、市民の期待の高さが窺えます。

泉大津市も、南海泉大津駅前の商業施設への図書館移転計画を進めており、市民や外国人との交流、さらには企業へのビジネス支援といった多角的な機能を持たせようとしています。多くの自治体で財政難から文化予算が削減される傾向にある中、図書館の役割は、従来の「書籍の貸し出し」から、「地域交流や集客の拠点」、そして「ビジネス支援」へと大きく拡大しているのです。この公的な役割の広がりを、柔軟で個性豊かな「私設図書館」**が補完し、新しい時代の文化・交流の場を創出していくことでしょう。私は、この多様な私設図書館の広がりこそが、社会のニーズに応える柔軟性と、地域文化への深い愛着を体現していると考えます。人々の生活の中に、もっと身近で、もっと個性的な「居場所」が生まれていくことを大いに期待しています。

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