2019年8月8日に発表された最新の調査データによると、埼玉県内における企業の倒産状況に大きな変化の兆しが見えてきました。東京商工リサーチの報告では、2019年7月期の倒産件数は24件となっており、前年の同じ時期と比較して13件も減少していることが判明したのです。負債総額についても、前年比で32.6%減となる20億6100万円にまで抑えられており、数字の上では県内経済が一定の落ち着きを見せていると言えるでしょう。
今回のデータを業種別に詳しく分析してみると、最も多かったのは建設業の8件で、次いでサービス業が7件、小売業が4件という結果になりました。一方で、製造業に関しては前年より6件も少ない2件にとどまっており、特定の業界における踏ん張りが全体数値を押し下げた形です。このように、業種によって明暗が分かれる結果となりましたが、全体としては過度な連鎖倒産などが抑制されている現状が浮かび上がってきます。
小規模企業が直面する現実と「1億円未満」の倒産が占める割合
特筆すべき点として、倒産の規模が非常にコンパクトになっていることが挙げられます。負債額10億円を超えるような「大型倒産」は、なんと2カ月連続で発生していません。一方で、負債額が1億円に満たないケースが全体の88%を占めており、地域に根ざした小規模な経営体が限界を迎えている実態が浮き彫りになりました。倒産件数が減っているとはいえ、背負っている負債が少ないからといって経営が楽観視できるわけではないはずです。
また、別の調査機関である帝国データバンクの集計によれば、2019年7月の倒産件数は29件、負債総額は21億7200万円と報告されています。両社の数字には基準の違いによる微差があるものの、「前年より減少している」という傾向は一致しており、統計的な信頼性は高いと言えます。SNS上では「件数が減っているのは良いことだが、身近な店がなくなる寂しさは変わらない」といった声も上がっており、数字には現れない喪失感を感じている住民も多いようです。
私個人の見解としては、件数の減少をただ手放しで喜ぶべきではないと考えています。大型倒産がないことは金融市場の安定を示唆しますが、負債1億円未満の企業が大多数を占める現状は、体力の乏しい個人商店や中小企業が静かに市場を去っている証左でもあります。数字の裏側に隠れた、地域コミュニティを支える「顔の見える商売」の存続について、私たちは今一度、真剣に目を向ける必要があるのではないでしょうか。
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