モバイルゲームの雄として知られるディー・エヌ・エー(DeNA)が、2019年08月08日に最新の四半期決算を発表しました。2019年04月01日から2019年06月30日までの連結業績によりますと、純利益は前年の同じ時期と比べて53%も減少した24億円という結果になっています。売上高についても7%減の313億円にとどまっており、現在は成長に向けた産みの苦しみを味わっている時期だと言えるでしょう。
今回の減益に大きく影響したのは、同社の屋台骨であるゲーム事業において目立った新作の投入がなかったことです。既存タイトルの運営で安定感は見せているものの、爆発的な収益を生む新しいヒット作に恵まれませんでした。さらに、将来の収益源として期待されるオートモーティブ事業、具体的にはタクシー配車アプリなどの「MaaS(Mobility as a Service)」領域への積極的な先行投資がコストを押し上げている状況です。
MaaSとは、ITを活用して移動を一つのサービスとして統合する概念を指し、交通の未来を変えると期待されている分野です。SNS上では「新作ゲームが出ないのは寂しいけれど、タクシー配車などの新サービスには期待している」といった声や、「投資局面だから今は耐え時だ」という冷静な分析が飛び交っています。ファンや投資家の間でも、現在の状況を「次なる飛躍のための準備期間」と捉える見方が広がっているようです。
プロ野球事業の躍進と不透明な通期見通しの背景
一方で、非常に明るい兆しを見せているのがスポーツ事業です。横浜DeNAベイスターズの本拠地である横浜スタジアムでは、観客席を拡張した効果が如実に表れ、観客動員数が大幅に増加しました。スタジアムの熱気はそのまま収益の向上に直結しており、地域に根ざしたエンターテインメントビジネスが着実に実を結んでいる点は高く評価できるでしょう。ゲーム事業の停滞をカバーするほどの勢いが感じられます。
今後の展望については、2020年03月31日までの通期業績見通しを「未定」として公表を控えました。これは事業環境の変化が激しく、合理的な数値算出が困難であるためとしています。編集者としての私見ですが、今はあえて数字を固定せず、柔軟に新規事業へ資金を投じる姿勢こそが、DeNAらしい攻めの経営だと感じます。目先の利益に捉われず、数年後の「当たり前」を作るための投資は、長期的な企業価値を高めるはずです。
暗雲が立ち込めているように見える決算数値ですが、その裏側では次世代のモビリティ社会を支えるインフラ作りが着々と進んでいます。既存のゲーム事業で培ったユーザー体験のノウハウが、現実世界の移動とどう融合していくのか、今後の展開から目が離せません。2019年の後半戦に向けて、同社がどのような「次の一手」を繰り出し、ユーザーを驚かせてくれるのか。逆転のホームランを放つ瞬間を楽しみに待ちたいと思います。
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