わずか200円、つまり缶ビール1本分程度の運賃で、1日中鉄道の旅を贅沢に楽しめると聞いたら、皆さんは驚かれるでしょうか。実は「大回り乗車」と呼ばれるJRの特例を活用すれば、そんな夢のような鉄道旅が実現可能なのです。ネット上でも「究極の節約旅行」「コスパ最強の休日」と大きな話題を呼んでいます。今回は、2019年08月20日に決行した、近畿一円を駆け抜ける壮大な鉄道の旅の模様を詳しくレポートいたします。
この旅の鍵を握る「大回り乗車」とは、JRが定める「大都市近郊区間内のみを利用する場合、実際の乗車経路に関わらず、最短経路の運賃で計算する」という規則に基づいたものです。ただし、同じ駅を二度通ってはならない、一筆書きのルートでなければならないといったルールが存在します。迷路を解くような知的な面白さがあるこの仕組みは、鉄道ファンのみならず、安く遠くへ行きたい若者や親子連れの間でも静かなブームとなっているようですね。
総距離748キロ!289駅を駆け抜ける驚異の弾丸ルート
今回の旅の起点は兵庫県の塚口駅で、最終目的地は隣接する塚本駅に設定されました。最短距離であればわずか数分の道のりですが、あえて近畿7府県を網羅するように大きく迂回することで、総移動距離は748キロメートル、通過駅数は289駅にまで膨らみます。2019年08月20日の早朝に駅の改札をくぐった瞬間から、日常とは切り離された非日常のレールウェイ・ジャーニーが幕を開けることになるでしょう。
列車が走り出すと、車窓からは刻一刻と変化する近畿の豊かな表情が目に飛び込んできます。奈良の歴史情緒あふれる山並みを越え、和歌山の穏やかな海を眺めるひとときは、まさに鉄道旅の醍醐味と言えます。SNSでは「車窓の景色を眺めているだけで、悩み事がどうでもよくなった」という感動の声も散見されます。私も実際に席に座り、流れる景色を眺めていると、200円という金額以上の価値を肌で感じずにはいられませんでした。
しかし、この旅には「改札を出られない」という独自のハードルが待ち構えています。駅舎の外にあるご当地グルメを楽しむことは叶いませんが、最近はエキナカ施設が充実している駅も多く、乗り換えの合間に駅弁を吟味するのも楽しみの一つでしょう。こうした制限があるからこそ、いかに効率よく食料を調達し、接続をこなすかという「戦略性」が求められます。まさに自分だけの時刻表を作り上げる、大人の知的な遊びといえるのではないでしょうか。
長旅を終えて塚本駅に降り立ったとき、心地よい疲労感とともに、圧倒的な達成感が胸を満たしました。現代社会において、これほど安価に、そして深く「移動そのもの」を楽しめるコンテンツは他に類を見ません。皆さんも、2019年という今の時代だからこそ味わえる、JRの制度をフル活用した大冒険に出かけてみてはいかがでしょうか。ルールを守りつつ楽しむこの旅は、きっとあなたの移動の概念を根底から変えてくれるはずです。
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