視覚障害者に届ける「声の相撲誌」35年の絆と情熱。大相撲の魅力を録音テープに乗せて

土俵上の熱気を、目が見えない友人にも届けたい。そんな純粋な友情から生まれた活動が、35年という長い月日を経て、今や全国の相撲ファンを支える大きな存在となっています。元青森県庁職員の五十洲廣明さんが手掛ける「声の相撲誌ごっつぁんです」は、全国で唯一の視覚障害者向け相撲専門情報テープとして、多くの人々に感動を与え続けています。

この活動の原点は、2019年08月23日現在から遡ること数十年前、五十洲さんの小学校時代からの親友が交通事故で視力失ったことにあります。絶望の中にいた友人が漏らした「目が不自由でも相撲を楽しみたい人は多い。お前の相撲誌を読んでほしい」という切実な願いが、五十洲さんの背中を押しました。まさに、友情が形を変えて社会貢献へと繋がった瞬間と言えるでしょう。

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テレビでは語られない細部を伝える「声の心技体」

制作されたテープは、青森県立点字図書館を通じて全国の希望者の元へ届けられています。内容は場所ごとの詳細なレビューから、注目力士の最新エピソードまで多岐にわたります。特に、ラジオの実況だけでは把握しづらい力士の具体的な体格や、しこ名の漢字の成り立ちといった細やかな解説は、深い知識を求めるリスナーから絶大な信頼を寄せられているようです。

SNS上では、この活動に対し「これぞ本当のバリアフリー」「継続する力に頭が下がる」といった称賛の声が相次いでいます。情報があふれる現代ですが、一人のために始まった活動が、結果として多くの孤立しがちなファンを救っている事実は、デジタル時代における「声」というメディアの温かさを再認識させてくれます。音声による情報伝達は、心の交流そのものなのです。

五十洲さんは、自身の活動を「声の心技体」と表現しています。心技体とは、相撲において「精神・技術・肉体」の三位一体を指す重要な専門用語ですが、彼はそれを録音活動に重ね合わせているのでしょう。2019年08月23日現在、体力の衰えを感じることもあると語りますが、来年となる2020年11月の通算300号発行という大きな節目を目指し、情熱を燃やしています。

編集者としての意見ですが、こうした個人の献身的な活動こそが、伝統文化の裾野を広げる重要な鍵となります。公的な支援だけでなく、五十洲さんのような「伝えたい」という個人の意志が、福祉と文化を繋ぐ架け橋になっている点は見逃せません。誰一人取り残さずに相撲を楽しめる環境づくりは、社会全体で大切に守り抜くべき宝物ではないでしょうか。

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