マツダの走りを支える「ホットスタンプ」の衝撃!キーレックスが挑む次世代の車体軽量化戦略

自動車業界に新たな軽量化の波が押し寄せています。広島県海田町に本拠を置く部品メーカーのキーレックスが、2019年08月30日、驚異的な強度と軽さを両立する車体部品の増産体制を整えることを明らかにしました。約30億円という巨額の投資を行い、山口県にある防府工場に新棟を建設した同社。2020年04月からの本格稼働を目指し、主要取引先であるマツダの新型車への採用を強力に推し進める構えです。

今回の増産プロジェクトの鍵を握るのは「ホットスタンプ」と呼ばれる画期的な技術です。これは日本語で「熱間プレス」とも呼ばれ、鋼板を摂氏900度まで加熱した後に、金型内で100度前後まで急速に冷却する工法を指します。鉄は急冷されることで組成が変化し、非常に硬くなる性質を持っています。SNS上でも「これからの車作りには欠かせない技術」「薄くても強いなんて魔法のようだ」といった、技術革新への期待の声が数多く上がっています。

この技術の最大のメリットは、薄くても高い強度を保てるため、従来の鉄加工部品と比較して2割から3割もの軽量化が期待できる点でしょう。車体部品は車両重量の約2割を占めると言われており、ここを軽くすることは燃費向上に直結します。また、従来の「ハイテン(高張力鋼板)」は、最初から硬い素材を曲げるため加工時にヒビが入りやすい弱点がありました。しかし、熱いうちに形を作るホットスタンプなら、複雑な形状も自由自在に成形可能です。

キーレックスは2014年に広島県の浅原工場でこの技術をいち早く導入し、すでに年間12万個の生産実績を誇っています。今回、防府工場に誕生した約4500平方メートルの新拠点は、その2倍となる年間24万個の生産能力を備える予定です。コスト面では従来の製品より高価になるものの、環境規制が厳しさを増す中で「軽さ」と「安全性」を同時に提供できるこの部品は、マツダのみならず業界全体から熱い視線を浴びることでしょう。

私自身の見解としても、この投資は極めて戦略的な判断だと感じます。電気自動車(EV)へのシフトが進む中、バッテリーの重さを相殺するための軽量化は、もはやメーカーにとって避けて通れない命題です。コストアップを覚悟してでも、機能美と性能を追求するマツダの車作りに寄り添うキーレックスの姿勢は、広島のモノづくり精神の真髄と言えるのではないでしょうか。この技術が次世代の「走る歓び」を支える日が、今から非常に楽しみでなりません。

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