英語で慣習や慣行を意味する「custom」という単語は、複数形の「customs」になると関税や税関を指す言葉へと変化します。一見すると、日々のしきたりと国をまたぐ税金にどのような繋がりがあるのか不思議に感じる方も多いのではないでしょうか。この語源の謎を紐解く鍵は、18世紀の偉大な経済学者にあります。
「経済学の父」として知られるアダム・スミスは、1776年3月9日に公刊された不朽の名著「国富論」の中でこの点について興味深い考察を残しました。彼によれば、関税がカスタムと呼ばれるようになったのは、それが記憶にないほど古くから行われてきた「慣行的な支払い」であったことに由来すると考えられています。
ここで言う「関税」とは、輸入品や輸出品に対して国が課す税金のことを指しており、古くは時の権力者が通行料や手数料として徴収していた習慣が、制度として定着した歴史を持っています。SNS上でも「身近な英単語にそんな奥深い歴史があったのか」といった驚きの声や、「歴史を知ると今のニュースが違って見える」という投稿が散見されます。
現代に蘇る「負の慣行」としての関税合戦
しかし、2019年09月03日現在の国際情勢を眺めてみると、この「慣行」という言葉が持つ穏やかな響きとは裏腹に、非常に緊迫した状況が続いています。特にアメリカと中国の間で激しさを増している関税の掛け合いは、もはや世界経済における新たな、そして歓迎されざる「恒例行事」と化している感すら否めません。
本来であれば、自由な貿易を促進することが世界の成長に繋がるはずですが、互いに高い障壁を築き合う現状は、アダム・スミスが説いた合理的な経済発展とは対極にあると言えるでしょう。国家間の意地の張り合いが、消費者や企業の負担を強いる「悪しき慣習」として固定化してしまうことを、私は強く懸念しています。
歴史が教えるように、一度定着した慣行を打破するのは容易ではありません。ネット上の反応を見ても「貿易戦争の長期化で生活用品の値上がりが怖い」という切実な意見が目立ちます。今こそ私たちは、単なる言葉の由来を知るだけでなく、その背景にある自由貿易の価値を再認識すべき時期に来ているのではないでしょうか。
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