自動車業界が「100年に一度の変革期」と囁かれる中、日産自動車が新たな一歩を踏み出しました。同社は2019年09月01日付で、次世代のモビリティ社会を見据えた重要な人事異動を発表しています。今回の組織改編の核となるのは、インターネットと車を常時接続させる「コネクティドカー」分野の強化です。大石賢治氏が新たに開発部門を牽引することになり、技術革新への期待が一段と高まっています。
コネクティドカーとは、車に通信機能を持たせることで、道路状況のリアルタイム受信や緊急時の自動通報などを可能にする「走るスマートフォン」のような存在を指します。この分野のグローバルな指揮を執るのは、新たにアライアンスグローバルダイレクターに就任した佐々木徹夫氏です。SNS上でも「日産の本気度が伝わってくる」「IT企業のようなスピード感が必要な部門だけに、今後の展開が楽しみだ」といった期待の声が続々と寄せられています。
今回の人事では、技術面だけでなく顧客とのデジタルな接点についても抜本的な見直しが図られました。デジタルカスタマーエンゲージメント本部において、南賢治氏がアフターセールスシステムの責任者に着任しています。カスタマーエンゲージメントとは、単なる顧客満足度を超えた「企業と顧客の深い信頼関係」を意味する言葉です。購入後のサポート体制をデジタル技術で最適化することで、ユーザーに寄り添う新たなブランド体験を提供しようとする狙いが透けて見えます。
販売戦略の要となるグローバルセールス&ディーラーネットワーク本部長には、ゴンザレス・マイラ氏が抜擢されました。世界各地の販売店ネットワークを統括するこのポジションに新たな血が注がれることで、世界市場での競争力がどう変化するか注目に値するでしょう。一方で、デザイン部門でも中村泰介氏がシニア・デザイン・ダイレクターとして第一プロダクトデザイン部を支えることになり、日産らしい独創的なスタイリングの維持と進化が図られる見込みです。
個人的な視点を述べさせていただけるなら、今回の人事異動は単なる役職の入れ替えではなく、日産が「製造業」から「サービス業」へと脱皮しようとする強い意志の表れだと感じます。特に八木聡氏や狩土名マリオ氏といった専門性の高い人材をコネクティド関連の要職に配置した点は、非常に戦略的です。ハードウェアとしての車の魅力だけでなく、ソフトウェアやサービスでいかに差別化できるかが、これからの自動車メーカーの生存戦略になるのは間違いありません。
また、人財開発の分野では、ダンギジェコウルトアギレラ・オスメル氏がグローバルタレントマネジメントを担当します。多様なバックグラウンドを持つリーダーたちが、それぞれの専門領域でシナジー(相乗効果)を生み出すことが期待されます。激動の2019年を走り抜ける日産自動車が、この新体制によってどのような革新的なモビリティ体験を私たちに届けてくれるのか。未来の景色を塗り替える彼らの挑戦から、今後も目が離せそうにありません。

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