羊毛・綿花が歴史的な暴落!米中貿易摩擦が衣料品市場を直撃する衝撃の背景とは?

世界中のクローゼットに異変が起きようとしています。2019年09月13日現在、スーツやニットの原料となる羊毛や、カジュアルウェアに欠かせない綿花といった天然繊維の国際価格が、驚くべきスピードで急落しているのです。特に高級スーツの代名詞である羊毛は、わずか3カ月で価格が3割も沈み込み、約2年9カ月ぶりの安値を更新しました。私たちの身近な服の「素」が、今まさに歴史的な激震に見舞われています。

この異例事態の引き金となったのは、激化する米中間の「関税合戦」に他なりません。世界最大の羊毛輸入国である中国において、需要が目に見えて冷え込んでいるのです。SNS上でも「これほど下がるとは予想外」「今後の衣料品の価格はどうなるのか」といった不安の声が広がっており、貿易問題が私たちの生活に直結する現実に注目が集まっています。供給側であるオーストラリアの動向を含め、事態は非常に複雑な様相を呈していると言えるでしょう。

スポンサーリンク

高級衣料の象徴、豪州産羊毛を襲った「需要蒸発」の正体

羊毛の世界輸出で約4割のシェアを誇るオーストラリアでは、深刻な事態が続いています。2019年9月上旬現在の指標価格は、1キロあたり13.6豪ドル前後まで落ち込み、前年の同じ時期と比べると35%も安くなっています。昨年の2018年後半からは、深刻な干ばつによって牧草が育たず、羊毛の生産量自体が減少するという厳しい局面を迎えました。供給が減れば価格は上がるのが道理ですが、今回はそのセオリーを打ち消すほどの需要不足が起きています。

豪州産羊毛の7割から8割を買い取っていた中国では、米国による中国製衣類への追加関税措置を背景に、先行きへの警戒感が一気に強まりました。さらに「人民元安」という通貨の価値低下も追い打ちをかけています。これは自国通貨が安くなることで、海外から物を買う際のコストが跳ね上がる現象を指します。輸入コストの上昇と輸出先の減少という二重苦に直面した中国の工場では、稼働率が前年の半分近くまで落ち込むという悲鳴のような報告も届いています。

綿花市場にも激震!米中対立が書き換える世界の貿易地図

羊毛だけではなく、Tシャツなどの原料となる綿花の市場も凍りついています。ニューヨークの先物市場では、1ポンドあたり59セント前後という、2016年04月以来の安値を記録しました。4月の高値からはわずか5カ月で約25%も下落しており、市場関係者の間では動揺が隠せません。世界最大の輸出権を持つ米国と、最大の消費国である中国。かつては蜜月関係にあった両国ですが、相互の関税措置によってその絆は無残にも断ち切られようとしています。

米農務省のデータによれば、2018年08月から2019年07月までの米国の対中輸出量は、前年度比で3割以上も激減しました。中国が米国産綿花に報復関税をかけたことで、貿易の流れは中国から東南アジアへと大きくシフトし始めています。米国の関税第4弾には衣類が含まれ、中国側もさらなる追加関税を検討するなど、出口の見えない攻防が続いています。一連の対立は、単なる政治問題を超え、私たちが手にする服の未来を根底から変えてしまうかもしれません。

私は、この価格暴落を単なる「デフレの予兆」と片付けるべきではないと考えます。確かに原料安は消費者にとって一時的な恩恵をもたらすかもしれませんが、その背景にあるのはグローバルなサプライチェーンの崩壊です。サステナブルなファッションが叫ばれる中で、政治的な対立が生産現場や農家を疲弊させる現状は、業界全体にとって極めて深刻な危機です。今後は価格の安さだけでなく、その裏にある国際情勢の歪みに目を向ける必要があるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました