2019年09月15日、チェリーヒルズゴルフクラブで開催された「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」において、日本のゴルフ界に新たな伝説が刻まれました。弱冠20歳の畑岡奈紗選手が、大会記録を塗り替える通算18アンダーという圧倒的なスコアで初優勝を飾ったのです。これは国内メジャーにおいて史上最年少での3勝目という快挙であり、彼女が名実ともに日本の若きエースであることを世界に知らしめる結果となりました。
最終日の幕開けは、1番と2番で見せた連続バーディーによって独走態勢を築いたかのように見えました。しかし、トップを走る者の心境は決して穏やかではなかったようです。試合後のインタビューでは、朝の練習の段階でショットもパッティングも感覚がしっくりこず、理想の状態からはほど遠い不安を抱えていたと明かしています。ゴルフというスポーツの難しさは、外から見える完璧さと、本人が内側に抱える繊細な違和感のギャップにありますね。
その不安が的中したのが9番ホールでの3パットボギーでした。対照的に、猛追を見せたのが世界ランキング上位の実力者であるフォン・シャンシャン選手です。9番、10番と連続バーディーを奪われ、一時は7打もあった差がわずか4打にまで縮まる緊迫した展開となりました。SNS上でも「このまま逃げ切れるのか」「メダリストの追い上げが凄まじい」といったファンの固唾をのむような投稿が相次ぎ、会場には独特の緊張感が漂い始めました。
勝負を決めた15番の神ショット!世界を圧倒するエースの底力
そんな重苦しい雰囲気を一瞬で吹き飛ばしたのが、15番ホールで見せた「スーパーショット」です。ピンまで残り70ヤードの地点から、58度のウェッジで放たれた打球は、そのまま直接カップへと吸い込まれるイーグルとなりました。ウェッジとは短い距離を正確に狙うためのクラブですが、チップインイーグルをこの勝負どころで決める勝負強さには脱帽です。この一打で前年の大会記録を塗り替え、勝利の女神を完全に味方につけました。
歓喜の万歳を披露した畑岡選手は、最終18番ホールでもピンそば50センチに寄せる見事なアプローチを見せ、バーディーで華麗に大会を締めくくりました。彼女が見据えていたのは、単なる国内の優勝ではありません。米ツアーでしのぎを削る朴仁妃選手やフォン・シャンシャン選手といった世界の強豪たちを常に意識し、自らに高いハードルを課していたのです。この飽くなき向上心こそが、彼女を特別な存在へと押し上げているのでしょう。
今大会はリオ五輪のメダリストたちとの競演となり、2020年の東京五輪に向けた熱い前哨戦の趣もありました。20歳の若さで国内メジャー2冠を達成した畑岡選手ですが、「今を大事にしたい」と冷静に足元を見つめる姿勢が印象的です。個人的には、彼女のこの謙虚さと大胆なプレーの共存こそが、黄金世代の中でも群を抜く強さの秘訣だと感じます。これからの日本ゴルフ界を牽引する彼女の勇姿から、一時も目が離せませんね。
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