バレエの代名詞とも言える名作「白鳥の湖」に、かつてない新しい風が吹き込もうとしています。ドイツが誇る精鋭カンパニー、バレエ・アム・ラインが2019年9月に待望の初来日を果たし、これまで私たちが目にしてきたものとは一線を画す「原典版」を披露するのです。一般的な公演で親しまれている「改訂版」ではなく、チャイコフスキーが当初描いた構想を忠実に再現する試みは、日本のバレエファンにとって大きな衝撃となるでしょう。
そもそも「原典版」とは、後世の振付家たちが物語や曲順を入れ替える前の、いわば作曲家が一番伝えたかったピュアな姿を指します。現代で主流となっているのは、初演の失敗後にプティパらが手を加えたバージョンですが、今回はあえてその「原点」に光を当てます。SNS上では「普段見ている白鳥と何が違うのか楽しみ」「ドイツの型破りな演出に期待」といった声が溢れており、既存の常識を覆すステージへの期待感は最高潮に達しています。
巨匠のタクトが引き金となった、芸術監督マーティン・シュレップァーの情熱
この大胆な舞台を創り上げたのは、世界が注目する振付家であり芸術監督のマーティン・シュレップァー氏です。彼がこの原典版の制作を決意した背景には、日本が誇る巨匠・小澤征爾氏が指揮した「白鳥の湖」の録音との出会いがあったといいます。小澤氏が紡ぎ出すドラマチックで色彩豊かな音楽に魂を揺さぶられたシュレップァー氏は、楽譜に刻まれた真実をダンスで具現化することを誓いました。音楽への深い敬意が、このプロジェクトの根幹にあるのです。
この記念すべき日本公演は、2019年9月20日から東京のBunkamuraオーチャードホールで幕を開けます。その後、2019年9月28日には兵庫県立芸術文化センターへと場所を移し、西日本のファンにもその魅力を届ける予定です。私自身、古典を現代の視点で再解釈するこの試みは、単なる懐古趣味ではなく、芸術の生命力を更新する重要な挑戦だと感じています。伝統に安住しない彼らの姿勢は、観る者の価値観を鮮やかに塗り替えてくれるに違いありません。
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