アメリカンフットボールの最高峰、NFLの世界で今、一人の「生ける伝説」がさらなる高みへと駆け上がっています。ニューイングランド・ペイトリオッツの司令塔、トム・ブレイディ選手が、2019年10月10日に行われたニューヨーク・ジャイアンツ戦で見事な勝利を収めました。42歳という、プロアスリートとしては大ベテランの域に達しながらも、その輝きは衰えるどころか、ますます洗練されているようです。
この試合、ペイトリオッツは35対14という圧倒的なスコアでジャイアンツを退け、開幕から無傷の6連勝を飾りました。試合後のインタビューでブレイディ選手は、全勝を維持できていることへの素直な喜びを口にしています。SNS上では「40代でこの動きは信じられない」「アメフト界のキングは健在だ」といった驚きと称賛の声が溢れ、ファンの熱狂はとどまるところを知りません。
歴代2位の金字塔!数字が物語る圧倒的な精密さ
今回の試合で特筆すべきは、ブレイディ選手が打ち立てた偉大な記録でしょう。第1クォーターに放った19ヤードのパス成功により、通算のパス獲得ヤードで名QBペイトン・マニング氏を抜き去り、歴代単独2位へと浮上したのです。ここで言う「クォーター」とは試合を4分割した時間の単位を指し、「ヤード」はアメフトにおける距離の単位ですが、この積み重ねが彼のキャリアの重みを象徴しています。
さらに、この日のスタッツも驚異的です。41本中31本のパスを成功させ、合計334ヤードを稼ぎ出しました。特筆すべきは、特定のスターレシーバーに頼ることなく、チーム全体を巧みに操っている点です。現在のNFLでは、身長190センチメートルを超える大型のワイドレシーバー(パスを捕る専門職)が主流となりつつありますが、今のペイトリオッツにはそうした選手は多くありません。
それにもかかわらず攻撃が機能しているのは、ブレイディ選手の針の穴を通すようなパス精度と、瞬時に状況を見極める判断力があるからに他なりません。私個人の見解としては、彼の真の強さは身体能力以上に、チェスの達人のように数手先を読む「脳の力」にあると感じます。若手に頼るのではなく、自らの技術で周囲の能力を最大限に引き出す姿こそ、真のリーダー像と言えるのではないでしょうか。
2019年シーズンの目標は、言わずもがなスーパーボウルの連覇、そして自身7度目となる頂点です。「1年目の選手たちの練習姿勢に助けられている」と語る謙虚なエースがいる限り、王朝の崩壊はまだ先のことになりそうです。42歳のエースが牽引するこの快進撃がどこまで続くのか、世界中のファンがその一投一投に熱い視線を送っています。
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